次の任務までお世話になっている藤の家の一室で、善逸は先日の女子会の会話を炭治郎に話して聞かせる。
互いに互いの名を口にする時にはとても優しい音をさせていた、もう妬む気すら起きないようなお似合いの外見も内面共に美男美女だ。
一般人が割って入ろうなんて無謀すぎると善逸は説得した。
ところが変なところで諦めの悪いこの友人は、まったく善逸の言葉に耳を傾ける気はないらしい。
それどころか
──俺は不死川さんと違って義勇さんにふさわしくない男だとは思われていないってことなんだなっ!
と、超拡大解釈のポジティブさだ。
悲観主義者の善逸から見たら羨ましい限りだが、相手は柱とお館様の代理人という、鬼殺隊のど真ん中にいる人物たちである。
そんな人達にあまりに問題となる行動を起こしたら一般隊士としてはやばいんじゃないだろうか…。
と、仲の良い同僚が大切なだけに気を病んでしまう。
そんな善逸の心配もよそに、炭治郎は恐ろしい計画を打ち明けてきた。
なんと、【責任を取って祝言作戦】…という、これまずいよ、本気でまずい!と善逸が青ざめて泣き出しそうになる計画である。
まず最初に炭治郎から
「義勇さんて実は元々は都会の良い所に住んでいたようだし、お嬢様だと思うんだ」
といきなり切り出された時は善逸もわけがわからず、
「あ、そうなんだ」
と、あいまいに相槌を打った。
突拍子のない謎な切り出し方だが、まあ水柱については言われてみればおっとりとお育ちは良さそうだとは思う。
「だから、貞操観念とかきちんとしてそうだと思う」
悲観主義者の善逸から見たら羨ましい限りだが、相手は柱とお館様の代理人という、鬼殺隊のど真ん中にいる人物たちである。
そんな人達にあまりに問題となる行動を起こしたら一般隊士としてはやばいんじゃないだろうか…。
と、仲の良い同僚が大切なだけに気を病んでしまう。
そんな善逸の心配もよそに、炭治郎は恐ろしい計画を打ち明けてきた。
なんと、【責任を取って祝言作戦】…という、これまずいよ、本気でまずい!と善逸が青ざめて泣き出しそうになる計画である。
まず最初に炭治郎から
「義勇さんて実は元々は都会の良い所に住んでいたようだし、お嬢様だと思うんだ」
といきなり切り出された時は善逸もわけがわからず、
「あ、そうなんだ」
と、あいまいに相槌を打った。
突拍子のない謎な切り出し方だが、まあ水柱については言われてみればおっとりとお育ちは良さそうだとは思う。
「だから、貞操観念とかきちんとしてそうだと思う」
「…うん。そうだね。じゃあ婚約者がいて他の男に目移りしたりしないよね」
と、善逸としてはそこで終了して欲しくて言ったのだが
「そういうことじゃないっ」
と、何故か怒られる。
こんなに協力していて話も聞いてやって何故怒られているんだろう…と思いつつも、そこで斬り捨てないのが善逸である。
「じゃあどういうことよ?何が言いたいの?」
と、問えば、
「つまり…男に責任を取らねばならないような事をされたら、責任を取られると思うんだ」
「ちょ、ちょっと待ったぁぁあああーーー!!!」
それはまずい!ほんっきでまずい!!
「あのね、義勇さんに無理やり何かとかしたら、錆兎さんに斬り刻まれるか、しのぶさんに死んだ方がましくらいの人体実験の道具にされるか、とにかく、お前、祝言挙げるより殺されるからねっ?!!」
絶叫する善逸。
幼い頃から花街の姉さん達にちょっとした買い物などを仰せつかって小遣い稼ぎをしていた事もある善逸なので、男女のいろはについても幼い頃から理解していた。
なので余計に思う。
性犯罪は絶対にまずい。
炭治郎が思っているような単純なことではなく、本当に周りに殺される!
だが、焦って青ざめる善逸の言葉に、炭治郎はきょとんとした顔で言った。
「何を言ってるんだ、善逸。
義勇さんに無理やり何かなんてするわけないだろう?
せっかく俺は不死川さんと違って心証が悪くはないんだから…
故意じゃなく、うっかり間違って…という風にしようかと…」
「え?えっと?
ちょっと俺わかんないんだけど…
どうやったらうっかり間違うの?」
誰かと間違ってとか言うつもりなのだろうか?
暗い中を狙うにしても、恋人もいない炭治郎が間違う相手などいやしない。
しかもわざわざ蝶屋敷まで行ってと言えばバレバレだろう。
本気で炭治郎が何をしようとしているのかわからず今度は善逸の方がきょとんとすると、炭治郎はドヤ顔で
「今度義勇さんがしのぶさんに招かれて蝶屋敷に泊まるという情報を得たんだっ!
だからその日に俺も体調不良ということで蝶屋敷に泊まって、風呂を間違えることにするっ!
嫁入り前の女性の裸をみてしまったら、やっぱり責任問題だろう?」
と、宣言した。
あ~…うん…なるほど、そういうことね……
と、思いがけず純情だった炭治郎の言葉に善逸はため息をつく。
とりあえず直接手を出す系の性犯罪じゃなくて良かった…とは思うが、成功する気はまったくしなかった。
初めて蝶屋敷に世話になるならとにかく、炭治郎は何度か運び込まれて泊まっているわけなのだから、どう考えてもわざとだとわかるだろうに…
やる前から見えている結果に、善逸は、
「バレるからやめときなよ…」
と、止めてやる。
しかしそれで思いとどまるなら炭治郎じゃない。
「やってみないとわからないだろう?
挑戦しないで後悔するくらいなら、挑戦して失敗する方がいい!」
…などと、言葉はなんだか立派なのだが、挑戦しようとしていることがどこか情けない。
「絶対にうまくいかない気がひしひしするんだけど…」
「いや、うまく行くと強く願えばうまくいくはずだっ!」
いつもはその前向きさに勇気づけられていた善逸だが、今回は本当に不安しかない。
善逸が強く願うのは炭治郎が水柱に対して責任をとるなんて展開になるどころか、蟲柱に薬漬けにされないこと、ただそれだけであった。
「じゃあどういうことよ?何が言いたいの?」
と、問えば、
「つまり…男に責任を取らねばならないような事をされたら、責任を取られると思うんだ」
「ちょ、ちょっと待ったぁぁあああーーー!!!」
それはまずい!ほんっきでまずい!!
「あのね、義勇さんに無理やり何かとかしたら、錆兎さんに斬り刻まれるか、しのぶさんに死んだ方がましくらいの人体実験の道具にされるか、とにかく、お前、祝言挙げるより殺されるからねっ?!!」
絶叫する善逸。
幼い頃から花街の姉さん達にちょっとした買い物などを仰せつかって小遣い稼ぎをしていた事もある善逸なので、男女のいろはについても幼い頃から理解していた。
なので余計に思う。
性犯罪は絶対にまずい。
炭治郎が思っているような単純なことではなく、本当に周りに殺される!
だが、焦って青ざめる善逸の言葉に、炭治郎はきょとんとした顔で言った。
「何を言ってるんだ、善逸。
義勇さんに無理やり何かなんてするわけないだろう?
せっかく俺は不死川さんと違って心証が悪くはないんだから…
故意じゃなく、うっかり間違って…という風にしようかと…」
「え?えっと?
ちょっと俺わかんないんだけど…
どうやったらうっかり間違うの?」
誰かと間違ってとか言うつもりなのだろうか?
暗い中を狙うにしても、恋人もいない炭治郎が間違う相手などいやしない。
しかもわざわざ蝶屋敷まで行ってと言えばバレバレだろう。
本気で炭治郎が何をしようとしているのかわからず今度は善逸の方がきょとんとすると、炭治郎はドヤ顔で
「今度義勇さんがしのぶさんに招かれて蝶屋敷に泊まるという情報を得たんだっ!
だからその日に俺も体調不良ということで蝶屋敷に泊まって、風呂を間違えることにするっ!
嫁入り前の女性の裸をみてしまったら、やっぱり責任問題だろう?」
と、宣言した。
あ~…うん…なるほど、そういうことね……
と、思いがけず純情だった炭治郎の言葉に善逸はため息をつく。
とりあえず直接手を出す系の性犯罪じゃなくて良かった…とは思うが、成功する気はまったくしなかった。
初めて蝶屋敷に世話になるならとにかく、炭治郎は何度か運び込まれて泊まっているわけなのだから、どう考えてもわざとだとわかるだろうに…
やる前から見えている結果に、善逸は、
「バレるからやめときなよ…」
と、止めてやる。
しかしそれで思いとどまるなら炭治郎じゃない。
「やってみないとわからないだろう?
挑戦しないで後悔するくらいなら、挑戦して失敗する方がいい!」
…などと、言葉はなんだか立派なのだが、挑戦しようとしていることがどこか情けない。
「絶対にうまくいかない気がひしひしするんだけど…」
「いや、うまく行くと強く願えばうまくいくはずだっ!」
いつもはその前向きさに勇気づけられていた善逸だが、今回は本当に不安しかない。
善逸が強く願うのは炭治郎が水柱に対して責任をとるなんて展開になるどころか、蟲柱に薬漬けにされないこと、ただそれだけであった。
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