聖夜の贈り物Verぷえ10章6

「お姫様…ねぇ…」
フランシスは少し眉を寄せたが、
「ま、いっか」
と話し始めた。


「まずね、歴史から。
この島が4つに分裂する前から続いてる名家。
伝説にあるカトル・ビジュー・サクレの守護者だったって噂もあるよ。
で、国が分かれてからは城の位置的に東の国に属したけど、王家に仕えてる意識はなくて、むしろ王家の方が頭垂れて協力願うくらいよ。あそこの魔術師軍団は強力だからね。
で、今の本家の当主はスコット・カークランド。
病死した先代の跡をついで4年前から当主やってる。
ついで次男アイル、三男ウィリアムで、もう一人下に弟いるらしいんだけど、ほぼ表にでないからお兄さんも知らない。
でも魔術師の中で秀でて強い魔力持ってるのはその本家の兄弟くらいで、あとは家系的に魔術師家系で分家含めて数が多いから、総合的に強いって感じ。
本家の兄弟の中ではスコットは厳格、冷静で本家の当主だから魔力は強いけどほぼ前線出ない。だからどういう系の魔術師とかはわかんない。
次男アイルは直情型。あいつもう凶暴でお兄さん嫌い。
得意な魔法は力押しの攻撃魔法だけど、魔術師のくせにたまに魔法使わないで杖振り回して殴ってくるんだよね。なんていうか…NOUKIN?
三男のウィリアムは優男なんだけど、アイルと真逆で情がないっていうか…笑顔で人殺せるタイプね。あれはあれで怖い。
で、次男と三男は性格が真逆なせいか仲悪い。でも二人とも当主の長男の言う事は絶対。
ウィリアムの特徴としては魔力は高くないんだけど、魔法のコントロールが絶妙。
だから瞬発力が必要な攻撃魔法よりもコントロールがモノを言う移動系魔法が得意。
本家の情報としてはそんなとこかな?」

「城は?警備とか」
「あ~うん。城っていうか塔みたいな家?
たぶん魔術師一家だから上に高くても移動の手間が要らないから、より守りやすいようになのかも。
だから警備の数自体はそう多くはないよ。まあ本人達が強いしね。」

「少人数で突破できそう?」
そこが重要とエリザが聞くと、
「少数精鋭で、本家の兄弟が出てこなければね」
とフランシスは肩をすくめた。

「あのね、魔法で動けなくされちゃったりとかしたらどうしたらいいの?」
そこでアーサーが拉致された時の事を思い出したフェリシアーノが口をはさむ。

「あ~………攻撃魔法は防げないけどその手の呪文無効化するお守りならあるよ?
正確には…魔法に対する耐性上げるお守りなんだけどね」

「寄越しなさいっ!」
エリザがフランシスに向かって手を出す。

「も~、お兄さんが渡したって口が裂けてももらさないでよ~。
これかなりの貸しだからね~」
フランシスはそう言ってその手にチャリンと3つの首飾りを落とした。



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