聖夜の贈り物Verぷえ9章09

「実は…だな…あ~…その…聞きにくいのだが……」
直球ストレートだったフェリシアーノとは対照的に、こちらは普段のきびきびとした態度とはうってかわって、たら~りたら~りと額に汗をかきながら、いつまでたっても本題に入らない。


相談に乗るつもりではあったものの、このまま無意味に時間を浪費する気はさすがにないギルベルトは、焦れて半分やけくそで言った。

「好きな男がいて、アプローチされてる気はするものの、本当に本気かわからねえし、本気だったらどう応えていいのかもわからねえ。
さらに言うなら男同士のセック○のやり方もわからねえけど、そんなもん書いてる資料もなければ王宮には聞ける相手もいねえって質問でいいか?」

ブ~っ!っとコーヒーを吹きだしたのは、今度は相談者の方だった。

ゲホゲホっとしばらく咳き込んでいたが、やがて涙目で
「何故わかったんだ?兄さん、あなたは魔法使いか?」
と図星である事を認めるルートヴィヒ。

それに対しては、さすがにフェリシアーノから相談を受けたとは言えないので、ギルベルトは
「そりゃまあ…伊達にお前を育てちゃいねえよ」
と返しておく。

もう思い切り答えになってないわけだが、動揺しているためかルートヴィヒは気付かないようで、
「そうか…やはり兄さんにはかなわないのだな…」
と、肩を落とした。

なんだか可哀想なくらい落ち込んでいるので、少し立ち入りすぎだとは思うものの、
「フェリちゃんのことだよな?」
と先をうながしてやる。

「ああ、そこまでわかってるのか…。
やはりあなたのような大人の方が本当はいいんだろうな…。」
とさらにうなだれるルートヴィヒに、ギルベルトは小さくため息をついた。

「あのなぁ…俺様とフェリちゃんとかありえねえからな?
フェリちゃんも可愛いことは可愛いけどさすがにねえわ」

「でもフェリシアーノはおそらくあなたのような大人の男が好きなんだと思う」

「あのな、フェリちゃんが今回力を貸してくれたのは、俺様がお前の育ての親だからだ。
俺様、さっきまでお前に特別に好かれたいってフェリちゃんに相談されてたからな?」
ポンポンとルートヴィヒの肩を叩いてそう言うと、そうなのか…?と、ルートヴィヒは両手に顔を埋めた。
短髪からのぞく耳が真っ赤になっている。
照れているのか…

普段は体格もいいしいつも難しく厳しい顔をしているので年のわりに随分と大人に見えるが、こうして年相応の顔をのぞかせるのが初々しくて微笑ましいとギルベルトは少し笑みをこぼした。


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