ギルベルト視点
そうしておとぎ話の終わりは常にめでたしめでたしである2
思えばほんの2年前、全く身も知らぬ間柄であった2人が、互いに断るつもりで待ち合わせの場所に赴いたのが、こんな風に様々な障害を乗り越えて一生を共にしようとしているきっかけだったと思うと、なかなかに感慨深い。
そしてトドメが籍をいれる直前の誘拐などというとんでもない激動の末の結婚という事を思えば、多少の事は苦笑して終わってしまうんじゃないだろうか…。
こうしてめでたしめでたしで、一日病院で過ごして帰った翌日。
事情を全て話すとまずルートが
「兄さんが他の相手と一緒になる事なんてまずないと思うが…もしそんな事があれば、アルトさえよければ俺と結婚すればいいんじゃないだろうか」
と、しごく真面目な顔で言い、それにギルベルトが慌てて口を挟もうとするよりも早く、
「う~ん。ルートでも良いけど、私でも良いんだよ?お姫様。
オジサンで良ければ大歓迎だ。大切に大切に可愛がってあげるよ?
それにこの家の決定権は一応私にあるし、私は君が居にくくなるような同居人を許可する気はさらさらないからね。
もしそういう事が起きたなら、出て行くのはギルベルトの方だ。
なにしろ君はギルベルトのお姫さんであるのと同時に、私達、この家に住む家族の大切なお姫様だからね」
と、フリッツがにこやかに言い放つ。
「いやっ、俺様がお姫さん以外と籍入れるとかありえねえからっ!!
お姫さんは俺様の大事な伴侶だからなっ!!」
と、それに対してはもう、非常に焦って立場を確保しにかかるギルベルトだが、家族みんなが受け入れて守ってくれるということは、お姫さんにとっては良い事かもしれない…と、少し思う。
まあ、あくまで俺様のお姫さんという前提でだけどな、と、しかしそれは大事な叔父と弟を相手にしても譲れないところではあるのだが…
こうしてウサギのお城には、男3人に守られた性別:お姫さんが約一名。
まるでおとぎ話のように平和に穏やかに、楽しく暮らして行くのであった。
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