寮生はプリンセスがお好き7章_8

こうして始まる体育祭。

開会式。
この時点ですでにシャマシューク風だ。


まず
学校長の挨拶
これが学校長不在でその代理だったのは、ギルベルトいわく去年は普通に学校長本人だったとのことなので、別にこの学校ならではの何かではなく、単なる今年の都合らしい。


優勝杯及び優勝旗返還
まあこれも普通。
金虎寮の寮長カインが返還しているところを見ると、昨年の優勝は金虎寮だったのだろう。


校歌斉唱
伴奏が録音した音楽ではなく、なんと学校用に用意されたこれも大きなテントに待機していたオーケストラの生演奏なのはすごいと思う。

さすがに資産家の子息が多く集まる学校だ。
なんとトラックでグランドピアノまで運びこんでいる。

その他音楽的な事を言うなら、多国籍の生徒が通っているためか、国歌斉唱などはない。


そして…選手宣誓

その前の校歌斉唱が終わると、何故か1×2mほどの台座が6つ用意される。

なんだろう?とアーサーが思っていると、寮生の一番前、アーサーと一緒に並んで立っていたギルベルトがアーサーの手を恭しく取って、前へとうながした。


え?ええ???

もしかして寮長、副寮長が何か言うのか??
何も聞いてないし用意していないけど……

と、焦っていると、次々に台座に登るプリンセス達。
もちろんアーサーもギルベルトに促されて登った。

そして金虎寮から順に寮名を呼ばれて、寮長が代表してプリンセスに抱負や勝利を捧げる誓いなどを述べているようだ。



なるほど。

リーダーが寮長ならプリンセスは象徴なのだから、様々な誓いはプリンセスに捧げられると言うのが、シャマシューク風なのだろう。



こんな選手宣誓は初めてだが、それぞれの寮で個性があって面白い。

宣誓をする側も個性的なら、される側のプリンセスの反応もそれぞれで、


──カインは高3でこれがラストだしな。今年も優勝して有終の美を飾らせて追いだしてやろう。

と、にやりと笑う金虎の姫。


銀虎の姫は

──昨年のように他寮に遅れを取るなど見苦しい結果は残さぬよう
と、冷やかに言い放つ。


金竜の姫は声も高らかに

──我らは金の竜だ!何よりも強く、何よりも気高い寮名に相応しく、勝ちに行くぞ!!

と、叫び、

その対となる銀の竜のプリンセスのフェリシアーノは、女神アテナというその勇ましいいでたちとはかけ離れた、ふわふわと愛らしい様子で、

──みんな、無理をしないで楽しくやろうねっ
と微笑んだ。


そして最後に1年、狼寮の順番になる。




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