「可愛え親分のお宝ちゃん、そろそろ泣きやんだって?」
と、額に唇を寄せれば、可愛い可愛いアントーニョの宝物は大きな涙いっぱいの目でアントーニョを見上げて睨んで見せる。
「死んだら…死んじゃったらどうするんだ」
と唇をかみしめる様子は、転げ回りたくなるほど可愛らしいが、それをやったら確実に引かれる。
ファイト、親分っ!自分はアイドルやろっ!根性見せたれっ!!
正直100人近い記者に囲まれた時よりよほどの精神力を持って自分の欲求を抑えつけ、アントーニョは“アイドル”の顔を作った。
「死なへんよ?【黒い楽園】の主人公のアッシュが天使ちゃんがおれば死なへんのと一緒や。
親分死んだら大事な大事なアーティ守れなくなるさかいな。
アーティが一緒におってくれる限り、親分は死なへん。
不死身の男やで?」
とコツンと自分の額とアーサーの額をコツンとぶつける。
「……ばかぁ……」
と、ようやく泣きやんだと思ったら、今度は羞恥で真っ赤になる可愛らしい天使に、アントーニョは心底嬉しそうに
「親分な、そのアーティのばかぁ言う言い方好きやわ」
と、笑って、さらにアーサーの顔を赤くさせた。
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