「書かれている具体的な行動については事実の部分もあるけど、それが同性愛からくるものかと言われるとまた別だと言う事ですよね?」
と、言葉を添えると、それに対してアントーニョは
「ああ、そう。それです。おおきに」
と、ホッとしたような笑みを浮かべた。
しかし一息ついたのもつかの間、次に指名された記者の質問は意地が悪い。
「さきほど話題性が足りないならアントーニョさん自身に関する事なら出来る限りの事をするとおっしゃってましたが、どんな事をなさると言うんですか?」
うあ~とギルベルトは顔をしかめ、フランシスは苦笑する。
まあ…これが会見慣れしている自分ならこんな困った広がり方をするうかつな発言はしないのに…と、いざとなったら介入するかとギルベルトが飛び出せる位置に待機するために移動を始めるが、とうのアントーニョは慌てる様子もなく
「どんなんやったら納得してくれます?」
と逆に聞き返す。
「どこまで出来るか、覚悟があるのか、お聞きしたいんですが?」
と、そこでまた聞き返されて、アントーニョはまた少し目を閉じて
「そうやな…」
と、考え込む。
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