と、あまり得意でない料理が珍しく上手く行ったからだろうか、上機嫌で言うアーサーに、
「ん、じゃあ、次は目を入れるとこからやってみっか」
と、ギルベルトが切り込みを入れた兎の体のパーツと目に使う黒ゴマ、そして爪楊枝をアーサーに渡して、作業を教えていく。
その様子にぷく~っと不機嫌になるアントーニョ。
「え~と、今日は子どもと作ろう楽しいランチボックス教室になりました」
と、そこでフランシスが苦笑しつつ、場をとりなそうとつとめ、エリザは
「は~い、天使ちゃんとばかりやらない。
フランが暇して観客席でナンパ始めないうちに何か振りなさいよ~。
で、天使ちゃんはトーニョと盛りつけね」
と、さりげなくアーサーをアントーニョに戻した。
「トーニョ、これ、これは俺が作ったやつ♪」
他のオカズと共にランチボックスに飾り切りをしたウィンナーを詰めていくアーサーに
「そか~。どうりでギルちゃんが作ったのより可愛い顔しとると思ったわ~」
と、相好を崩すアントーニョ。
「いや、お前、パーツ作ったの俺様だし、組み立てるだけなら誰がやってもそんなに変わらねえだろ…」
との未だパーツ組み立て中のギルベルトのつぶやきは当然ながらスルーされ、フランシスがポンポンとギルベルトの肩を叩いた。
「もうあそこは見ちゃダメ、聞いちゃダメ」
という彼の姿勢はある意味正しいが、それでも正論を呟き続けるのがギルベルトのギルベルトたる所以である。
こうして全て組み立て終わり、他のオカズと共に弁当箱に詰め込まれ、5人分のランチが完成した。
「「「「かんせ~い。」」」」
と、それぞれが自分のランチボックスを手に言うと、キッチンが片付けられ、テーブルが出てくる。
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