茹で上がったパーツを箸で器用にあげていき、今度は目やクチバシ、羽などのパーツを器用にはめ込んでいく。
おお~~と、それを見て目を輝かすアーサーをチラリとみて、やってみるか?と声をかけるギルベルト。
「じゃあな、小鳥さんに羽とクチバシ差し込んで、最後うずらで挟んでピックで止めてくれ」
と、一度自分でやって見せて指示をすると、アーサーの前にパーツを置いてやる。
ギルベルトはそれを嬉々として組み立てていくアーサーをまたチラリと見つつ、カメラ目線。
「こうやって子どもの年齢や慣れによって難易度を考えて手伝わせるのも重要だぞ。
料理は慣れだし、知ってるのとやれるのは全然違うからな。
子どもがお手伝いが楽しくてやりたいと思う年齢が教え時だ。
小さい頃から手伝わせて、やるのが当たり前にしていかねえと、親が寝込んでも米一つ炊かねえ炊けねえ、味噌汁1つ作れねえなんて中高生の出来上がりだからな。
早い奴はそのくらいの年で独り立ちする事もあるし、実家にいる最後の日と一人暮らし一日目なんざ一日しか違わねえんだから急激に成長するもんじゃねえ。
なんでも馬鹿みたいにやってやって、自分は良い親でございなんていうのは、見えっ張りな親の自己満足だ。
本当に良い親っつ~のは、子どもが一人になった時に自分の足で立っていけるように育ててやれる親だぞ?」
などと、年に似合わぬ説教を垂れたりもするので、ギルベルトのファン達は彼の事を師匠と呼んで敬ってたりもするのだ。
「わかったかよ、そこの親馬鹿」
と、チラリとそこでアントーニョに振ると、アントーニョは平然と言い放った。
「天使ちゃんは親分がずぅ~っと面倒みたるから料理なんてでけへんでもええねん」
「みてやるったって、一生みてやれるわけじゃねえだろうが」
「一生みたるよ?」
「…まあ、百歩譲ってだな、お互い一生恋人も作らず嫁ももらわず一緒に暮らしてたとしてだな、万が一お前が先に死んだらどうするよ?」
ギルベルト的には百歩どころか一万歩くらい譲ってみたわけだが、真の親馬鹿…親馬鹿キングは一味違った。
「そん時は…一緒に死なせたるわ」
おお~~~!!!!
と、客席から声があがる。
「お前ね~、お前が言うとシャレにならないからっ!
マジ笑えないっ。
俺らアイドルだからね?!
性格派俳優とか危ない宗教団体とかその他諸々じゃないからねっ!」
と、そこでさすがに割って入るフランシス。
「坊っちゃんもなんとか言ってやってっ!!」
とアーサーに振ると、一心不乱に食材に向かってたアーサーが
「出来たぁ~~!!!」
と、卵の殻をつけた小鳥の形のウィンナーを掲げて満面の笑顔で叫んだ。
それに客席から『アーティー可愛い~♡』の声が飛ぶ。
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