と、そこでギルベルトも諦めて本筋に戻って包丁を握る。
「今日は俺様の大好きな小鳥さんと、あとは…うさぎさんでも行ってみっか~。
材料はウィンナー。これがなきゃ始まらねえ。
あとは目にするための黒ゴマ。小鳥さんには更にうずら卵と枝豆。
道具はウィンナー茹でる鍋とよく切れる包丁に爪楊枝…キッチン用のハサミがあればベストだが、なきゃよく切れる小さめのナイフでも可だ」
と、鼻歌交じりに時折解説を入れながら、器用にウィンナーに包丁を入れていく。
「切り方のまとめはあとで画面にも出るし、俺様ブログにも載っけとくから、わからなかったらソッチ見てくれよな」
と言いながらもどうやら切る方は終わったらしく、切ったパーツにカメラが入る。
そして一通り映し終わるとそれを茹だった鍋へ。
「てことで、まあ3分弱くれえ茹でる間、枝豆とうずら卵の処理。
うずらは2つに割って黄身を出して切り口をギザギザにする。
枝豆は小鳥さんの羽に使う分は2つに割るだけ。クチバシの分は薄く切ってひし形に。
この辺りは素早くな。
実際自分でランチボックス作る時は、茹でるとか煮るとかで空いた時間は無駄にせず、ちゃちゃっと洗い物とか済ませろよ?」
と、この辺は無駄を嫌うギルベルトらしいトークだ。
もちろんそんな話をしている間に切るものは切り終えていて、
「余った枝豆は鞘から出してピックに刺して入れると出先で生ごみ出ねえし見た目もいいだろ」
と、残りの豆をピックに刺すことまでやってのけ、おお~と観客の関心を買っている。
ギルベルトの回は作るものはランチボックスだけあって手早く出来るモノばかりで派手さはないが、自炊で弁当持参のOLなどの間でなにげに大人気だ。
「弁当もなぁ、毎日そのために食材なんて買ってられねえし、でも出先で蓋で隠さねえと恥ずかしいみたいなモン持ってきたくねえじゃん?
同じ材料、簡単な調理法で出来るモンでもちょっと手ぇ加えるだけで、だいぶ違うと思うぜ?」
という趣旨は、まさしく弁当作りに追われる子持ち主婦や若いOL、はたまた弁当男子に至るまで、皆の共感を呼んでいる。
フランシスの回の手のかかるおもてなし料理などは、見る分には目の保養だが実際に作るという人間は少ないが、ギルベルトのランチボックスは今全国の幼稚園などでも流行っているらしい。
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