ヒロイン絶賛修行中5


こうしてスタジオ入りして用意されたいつも【悪友キッチン】の時に着る服に着替える。


シンプルなシャツとジーンズ。

あと身につけるのは、今回は以前の【AkuyouK】から【AkuyouAngelK】の文字入りに変わったが以前と同じデザインのシンプルなエプロンで、それぞれアントーニョは赤、ギルベルトは黒、フランシスはブルーの色違いだ。



「…なのに……何故これ?」


いや、そりゃあ新米だし?アントーニョのついでだし?

同じ色違いエプロンを付けたいなんて大それた事は思わない…が、渡されたのはどこぞの新妻がつけていそうな真っ白なふわふわな雰囲気のエプロン。

胸元にはちゃんと可愛らしい飾り文字で、【AkuyouAngelK】の文字まで付いている。



「ああ、それな、Angelのイメージで作ったんやて。可愛えやろ?」

と、エプロンを握ったまま硬直しているアーサーの手からエプロンを取り上げると、アントーニョは踊るような手つきでいつのまにかアーサーにそれを身につけさせる。


憧れのアイドルにつけてもらって嫌だとは言えないわけだが、しかし…


15の男に可愛いエプロンて変だ……と思うんだけど……」

とそれでもささやかな抵抗を試みてみるが、満面のアイドルスマイルで

「世界で一番似合っとるよっ」

と言われると、もう何も言えない。


そんなやりとりをしているうちに残りの二人も楽屋入りする。


「お、今日からアーサーも一緒か。よろしくなっ」

と気さくにアーサーの頭をポンポンと撫でるギルベルトに飛ぶアントーニョの蹴り。


フランシスは君子危うきに近寄らずとばかりにアーサーともアントーニョとも絶妙な距離を取りながら着替える。


そして全員が着替え終わった頃にエリザベータが来て時間になった。





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