ヒロイン絶賛修行中1


よしっ!やったっ!!

苦節1ヶ月、とうとうやった。

アントーニョより早く起きたっ!

アーサーが目を覚ましてチラリと上を見上げれば、自分をしっかり抱え込んだまま、まだしっかり目を閉じているアントーニョ。



まつげ…長いな。眉毛綺麗な形だな…。

鼻筋通ってて高い。



ああ…眠ってる顔もカッコいい!

めったに間近でなんか見られないトップアイドルの寝顔。

寝てて意識がない時でもこんなにカッコいいなんて、さすがアイドルだ。



そんなアイドルに腕枕なんてされて、もう片方の手でしっかり抱え込まれて眠っているなんて、もう世の中のファンに申し訳ない。



どうせ申し訳ないことをしているなら堪能しよう…と、その整った唇にそっと指先を伸ばしてみると、こんなに整った形をしているのに、人形と違って確かに体温を持った人間で、柔らかく温かい事に感動する。



そのアントーニョの唇に触れた指先で自分の唇に触れてみて、どこの乙女だと脳内自己ツッコミをいれて赤面し、アクションが得意なだけあってしっかりと筋肉のついた胸板に顔をうずめて、ハッとした。



うあああ~~~アントーニョ裸だっ!!

うあ~うあ~うあああ~~~!!!

羞恥で転がりまわりたいところだが、それではアントーニョを起こしてしまうと必死にこらえ、そっとその腕から抜けだしてみる。



そして上から見下ろしてみた。

うん…イケメンは上から見下ろしてもイケメンだ。



でも…今なら少しだけ余裕もてるんじゃないか?自分。

と、ふと思いつく。



結局まいどまいど挫折し、未だ出来てないアレ…そう、挨拶のキス。

相手が眠っていて反応がない今なら出来るんじゃないだろうか…。



よしっ!やるぞっ!やってやるっ!!!

ゴクリとつばを飲み込んで、アーサーはアントーニョの頭の横に両手をついて、覆いかぶさるようにアントーニョを見下ろした。




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