「え?…自分、彼女とはそこまで清い仲やったん?」
そりゃあ15歳の一般の男子だ。
場所の確保も大変だろうし、最後まではやってない可能性はあるかもだが、よもやいまどき手をつなぐだけとか、そこまで可愛い交際があったのか…やっぱこの子天使か?と、思ったら、それ以前の問題だった。
「彼女おったわけやないん?!!」
うあぁああ~~~!!!と、絶叫したい気分に駆られた。
自分自身を思い起こせば、これよりずっと若いうちからお姉様方と爛れた関係を持っていたので、疑っても見なかった。
そうとわかれば、そんなに焦って色々進めなかったのにっ!!!
…というか、フランあとで殺すっ!!
「堪忍、そんなんやって思わんかったんや。
それやったらもしかして、初めてとか色々夢とかあったやんな?
挨拶に~とかしとる場合やなかったな」
そうと知っていればもう少し思い出になるような演出もしたというのにっ!
それこそそれを惹きつけ続ける手段にもできたはずっ!
ああ~~!!!フラン死ねやっ!!!
とりあえずスマホを出す。
「オ~ラ、フラン、自分アホかっ?!一度死ねっ!
…って言いたいとこやけどな、今日の午前中のインタビューと撮影、俺の分昼ギリギリになるように自分の番に時間かけといてなっ!
俺は絶対にやり直しになるような事にせえへんから、マネージャー説得しといてな。
それで勘弁したるわっ!」
『え?ちょ、トーニョ?!お前何言って……』
と、電話の向こうで何か言っているのもスルーして通話を打ち切り、迷わずスマホの電源を切る。
そしてびっくり眼でその一連を呆然と見ているアーサーにニッコリと微笑んだ。
「ほな、午前中オフになったから出かけよか」
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