ショタペド戦士は童顔魔術師がお好き【第一章】15

こんな感じで顔を合わせると過程しただけでもこの騒ぎである。
当然実際に顔を合わせる当日は大変だ。

一応…アントーニョには釘をさして置いたものの、万が一があってフランシスが欠ければ楽しく趣味に費やす休日が減ってしまう…もとい、仲間の命は大事にしなければということで、エリザはフランシスの方にも釘をさしておいた。
ついでにギルベルトにも。

まあ懲りない面々ではあるので、効果のほどは期待できないわけではあるが……。


「…というわけでね、私も人数が減って休みが減るの嫌だし、いざとなったらキクちゃんも間に入ってね」
と、歓迎会当日、東方の民族衣装だというゆったりとした服を着たキクに念押しするエリザはパンツスーツだ。

「エリザさんはドレスを着ないんですか?」
とのキクの質問に、エリザはシワが寄った眉間に手をあて、

「うん…本気でキレたショタペドを止められる可能性があるのはあたしか最高司令官のローマ爺だけだから…」
と、ため息。

「萌えやネタは補給出来ると思うんだけどね…リスクもそれなりに…」
と苦笑いを浮かべるエリザに、
「では爺もいくつか忍具を持参しますかね…」
と、キクも改めて自分の荷物を漁った。



――絶対に親分の部屋に来んといてな。

そう言われて10日間。
あれほど魔術系のパートナーを持つことを渋っていたアントーニョは、実際に顔を合わせたら相手の少年をいたくお気に召したらしい。
遠く西の都から一人でここまで旅した疲れが出たのか熱を出して医師から一週間の安静を言い渡された事もあって、もうベッタベタに甘やかしているというのはエリザからの情報だ。


「確かにあいつショタペドだけどさ、そこまでメロメロになるくらいの子ってどんな子だろうね?」

と、好奇心に駆られて見に行こうとするフランシスを、ここでフランシスが野生動物の親状態になっているアントーニョに抹殺されて自分達まで動けなくなったら色々終わりだと、必死に押しとどめつつ、アントーニョ組が動けない分、黙々と任務に出続けるギルベルト。

アントーニョのパートナーの容姿についてはさして興味はないが、能力と体力は気になるところだ。


歓迎会当日、性懲りもなく気が向けばちょっかいをかけるであろうフランシスはなるべくエリザの方の新人の方においやってアントーニョの方にはやらないつもりではあるが、ギルベルトもまた、乱闘になった場合用に上着の下には戦闘時に着ている丈夫な服を身につけている。

このあたりの対応はエリザと一緒だ。
何度かショタが関わった時のアントーニョといると普通に身につくものである……はずなのに、何故か身につかないフランシスは不思議だと、エリザと二人常々思っている。

アントーニョからショタペドを取ったら何も残らないのと同様、フランシスから変態行為を取ったら何も残らないからか…などと、失礼な事も当たり前に話していた。
まあそれは、あたらずとも遠からずと言ったところだと二人共信じている。

そして…3組の中の最後の1組、当事者達は………。





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