「お子さん…と言っても幾つくらいの方なんでしょうね?
そもそも国ではなくて人間なんでしょうか?
そう言えば1週間ほど前にメタ…ゴホンゴホン、アメリカさんからイギリスさんの居所を聞かれましたし、イギリスさん絡みの可能性も高い気がしますね」
と、プロイセンも言う。
「ヴェ、うちもだよ~」
「ふむ…ではもしかしたら元々はイギリスが連れて逃げていたのかもしれんな。
国…と言うことはないだろう。
このところイギリス絡みで新しい国が生まれたという話も聞かんしな」
「人間…だとしたら、成人まではなんとかかくまって、その後正式に籍を入れてしまうという手もありますよね。
国の方々はどなたも一応人間としての戸籍を用意されてますし、スペインさんのおたくは確か同性婚が出来たかと…」
「ヴェ、それでフランス兄ちゃんとかアメリカとか諦めるかな?」
「ふむ…しかし正式に国に認められた配偶者を拉致したとしたら、一応国の要人の家族という形になるから、国際問題として取り上げられるだろう?
そうなれば軽々しい事はできんかもしれんな」
「あ~、とりあえずあれだ。
あと2,3日くらいでスペインの休暇終わるはずだから、観光旅行って事にしてスペイン家に行っとくか。
宿代もったいねえからスペインが戻るまではスペイン家に泊まる事にしたってことで。
俺様フランスにも声かけとくからよ」
最終的にそう締めようとするプロイセンの言葉に
「ヴェ?フランス兄ちゃんにも知られちゃ困るんじゃないの?」
と、イタリアが目を丸くするが、日本はそれになるほど、と、ほくそ笑んだ。
「プロイセンさんとスペインさんとフランスさん、3人悪友と呼ばれる仲ですからね。
スペインさんの家に行くのにフランスさんにお声をかけないのは不自然に思われます。
でも…フランスさんは今それどころじゃないでしょうし、お声かけても来れないでしょう?
だから声をかけるだけかけて、他意はないという事をアピールしておけば、スペインさんの家に行くのが、今回の逃走劇に関わっているとは夢にも思わないのでは?ということですよね?師匠」
「ま、そういうこった。
そうだな…筋書きとしては日本がヴェストを訪ねて来て、さらに久々にイタリアちゃんにも会おうって事になった。
んで、どうせならそのまま観光でもってなって、イタリアとドイツは俺らの家もあるし何度か行ったから別の国にってなった時に、お兄様がスペインが丁度休暇中で家が空いてて、あいつは俺らが行っても気にしねえだろうからって事で、スペインの家にって事になったって感じでどうだ?」
「ああ、それはいいですね。
さすが師匠。素晴らしいです」
「だろだろ?もっと俺様を褒め称えていいんだぜ?」
ぱちぱちと手を叩く日本にケセセっといつもの特徴的な笑い声をあげて胸をはるプロイセン。
「じゃ、俺はそういう事になったってスペインの野郎に連絡をいれておくぞ?」
と、ロマーノが言って、話し合いは終了。
各自スペイン滞在のための荷物をまとめる事になった。
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