ベイビー・ベイビー3

「ほ~ら、アンジェ。良いお天気だな。」

レースをふんだんに使ったおくるみに包まれた赤ん坊。
白い布の中から覗く髪は自分と同じクルっと色々な方向にはねた茶色がかった黒髪なのだが、優しく微笑みかける光色の髪の母親に向かって伸ばすぷにぷにした小さな手は、母親同様に陶磁器のように真っ白だ。
あぶあぶと可愛らしい声をあげる小さなバラ色の唇も、ふっくらした頬も、長い長い睫毛の形も、全て母親似で、肌以外の色合いだけがスペイン自身と同じ赤ん坊。
その赤ん坊を見てスペインは確信してしまった。
この思い込みの激しいラテン男はありえない確信をしてしまったのだ。

やっぱり去年のあの夜、親分の子ぉが出来とったんやっ。

これは…男として父親として、絶対に妻子守ったらんとっ!!!!


 Before <<<      >>> Next


0 件のコメント :

コメントを投稿