攻防の勝利者
――日本、日本、日本…どうしようっ?!!
イギリスは脳内でひたすら親友の名を呼ぶ…が、当然応えはない。
おかしい…どうしてこうなった?
スペインの寝室なう…。
ベッドの端に腰をかけている。
目の前に膝立ちしているスペイン。
手、手を取られたぞ。
指先にキス。
クソー、こういう気障な動作が無駄に様になっているあたりが、トマトでもラテン男だ。
――親分のモンになったって?
そしたら、大したモンはあげられへんけど、この身一つと心全部は永遠に自分のモンや。
世界で一番尊いお姫さんにかしずくように一生大事に大事にしたるから…
いつもヘラヘラと笑っている顔から笑みが消えると、男らしく整った精悍な顔になる。
薄ぼやけた自分のモノとは色合いが違う、意志の強さを秘めたはっきりと濃い色合いのグリーンの瞳に見上げられ、イギリスは息を飲んだ。
言葉のないイギリスに焦れたのか、白く綺麗に整った歯で軽くイギリスの指先をあま噛みして、うながすように笑うスペインにびっくりしてイギリスは手を引っ込めようとしたが、なんと手と一緒にスペインまで引き寄せられてきて、危うく悲鳴を上げそうになった。
そのまま少し腰を浮かせたスペインに引き寄せられ、吐息と共に
――うん…て言うたって?
と、低く囁かれて、腰が抜けた…。
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