眠れるAKYが目覚める時
その日は朝から良い天気だった。
すっきりと目が覚め、顔を洗い、畑の世話をして、帰宅して朝食をとる。
それからもう一度畑の世話をして家へと戻ると、ドアの所に金色の頭が見えた。
スペインは一瞬目を見開いて、それからニヤリと笑う。
――ああ、フランスも仕事早いやん。
心の中でそうつぶやいて一歩踏み出しかけた時、金色がゆらりと揺れたのに気付いて慌てて駆け出す。
「何しとるんっ!!」
思わず叫んで、崩れ落ちるその身体を支えると、どうやら暑さで貧血を起こしたらしいその細い身体を抱き上げた。
背丈は大して変わらないと思うのだが、その軽さは驚くほどだ。
自分は確かに昔は戦斧を、今は鋤や鍬を振り回し続けているので、見かけよりははるかに腕力がある方だとは思うが、それにしても軽すぎだ。
そのまま家の中へと運び込み、ソっとソファに下ろすと、訪ねて来た理由は大方予想はついているのだが、あえて素知らぬフリで
「で?ひとの家の前で何しとったん?」
と聞いてやる。
それに対して困ったように右往左往するクルリと丸い大きな目が可愛らしい。
まるで捉えられて動揺する小動物のようだ。
まあ…本人が知らないだけでそれに近いわけではあるが……
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