こうして千秋が納得して帰ると、小五郎ともメアドと携番を交換してギルベルトはいったん帰宅した。
千秋の方はあらかじめ顔が割れていないシドニーが尾けている。
と、カークランド家のリビングで相変わらず飄々とお茶をすすりながら聞いてくる香に、ギルベルトも茶をすすりながら
「ん~復讐のためにトーニョを刺しにきた女なわけだしな。
刺すべき相手はトーニョじゃなかった、しかも自分が大切にしていた気持ちを利用されて騙されてたとわかったら文句の一つくらい言いに行くだろ。
保身のために自首するような女なら最初から敵討ちにきたりしねえよ」
と、返す。
そこで文句を言いに来た千秋に画策してた事を洩らされるのを恐れたスミスが行動起こそうとしたところでドカン!だな…と言いつつ、相手を利用して高見の見物という意味では自分もスミスとなんら変わりはないと、ギルベルトは自嘲する。
それでも…プライドも良心も全てを捨てても守らないとならないものはあるのだ。
人には自ずから役割と言うモノがある。
フランにはそもそもそういう役回りは無理だし、アーサーがアントーニョを心の拠り所にしている以上、いざとなった時にアントーニョも巻き込まないようにしなければならない。
そうなると必要悪を全て行い背負い込む役割は自分が負うしかない。
それでも…常なら一人楽しすぎるところを今回は愉快な道連れがいるわけだから、まだマシなのか…と、ギルベルトは久々にケセセっと特徴的な笑いをこぼした。
終幕のベルはシドニーからの電話で鳴らされる。
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