オンラインゲーム殺人事件再びっ4章_4

そしてマイルーム。

≪こっち解散…そっちまだやってるの?≫
と、フランが一応声をかけてみると、

≪なら抜けるわ~。≫
と、アントーニョ。

≪別に抜けなくていいよ?≫
と答えるフランに

≪抜けられる口実欲しいねん≫
とため息なアントーニョ。

≪トーニョ疲れてるよなっww
と、カオルの方は元気らしい。

≪結局一体なにしてんの?≫
と聞くと、カオルは
≪トーニョの…耐久レース?ww
と笑う。



≪何それ?≫

≪えっとね…アタッカーのお嬢さん達が入れ替わり立ち代わりPTに入って狩りw
もちろん全開でwww

≪おまけに…な…エンチャはとにかくとして…ヒーラーすらいないってありえんで…
薬減るのは良いとしてテクと着替えだけで手一杯なところにアイテム使う手間までって、ほんま死ぬわ≫

ひゃあああ…と苦笑するフラン。


本当に疲れきったトーニョの様子にカオルが解説。

≪ま、このゲームってさ、実はヒーラー少ないんだよね。
フラン達当たり前に姫様いたから感じた事なかったかもだけど。
割合にしたらたぶん7割アタッカー2割ガーディアン、あとの1割がエンチャとかヒーラとか、そんな感じ。
だからこのギルドはいる前って俺でも殴られたら薬よ?≫


そういえば…野良とかだとヒーラー探して右往左往って結構あったよね。
それだけ少ないヒーラーがさらに可愛い女の子キャラだったりしたら、そりゃ追いかけられるよなぁ…と、今さらの様に思うフラン。


そんな事考えてるとトーニョが

≪抜けたっ!≫
と宣言。

続いてカオルも
≪同じく~♪≫
と、宣言した。



≪おつかれーw
フランが楽しそうに言うと、トーニョは無言。

≪ま、それなりに楽しかったよww
と、カオルは明るく返す。

≪で?そっちは何してたん?≫
思い出したくもない、と言った感じでトーニョが話題を変えるが、もっと聞きたくない話になるかもだよなぁ…とフランは思う。


≪えっと6人でレベル上げしてました≫

黙り込むギルベルトとフラン。
そしてナチュラルに答えるアーサー。

トーニョは一瞬沈黙。


≪そそ、近くでね、面白いキャラがいました。
3人組でバットブレード、バットアクス、バットランスって全員バットがついてて…≫

そんなのいたんだ。アーサーは変なものはよく見てるなぁと感心するフランだが、それを遮るようにトーニョの声。


≪あーちゃん、マリア、フラン、シドニー、ティモシーで後は?
野良…とかあらへんよな?これ以上粘着増やすのは…≫


エドァルドさん

最後まできかないで更にそれを遮るアーサー。
微妙に…凍った空気。

≪あ、あのね、ティモシーのギルドのギルマスなんだ、エドァルドって。
盾いないと狩りできないしさ、ティモシーが呼んだの≫
慌てて付け足すフラン。

トーニョは沈黙。
代わりにカオルが口を開いた。

≪エドァルドってあの嫌ったらしいガーディアンっしょ?
ティモシー後ではり倒しだなっww


うあ~…こっちもこっちで…って思ってたら

≪そろそろ落ちるな≫
とアントーニョのキャラがログアウト。

そして
≪落ちますね≫
と続くアリスキャラ。



≪わぁあ…放置して平気なん?ww
心配してるんだか面白がってるんだかわかんないカオルの反応に、フランが苦笑。

≪まあ…トーニョ独占欲すごいからねぇ。
リアル大人のお仕置きくらいはされてるかもしれないけど、あ~ちゃんは奴の大事な大事なお姫様だから乱暴にはしないと思う≫

≪うあぁ~翌朝フラン達超気まずくね?www

≪ううん。もう慣れたから~≫

不謹慎な盛り上がり方をしてる二人を放置でギルベルトはそっと部屋を抜け出した。


そのままコソっとアーサーの部屋の前で聞き耳を立てる。
その手の声とかは…聞こえて来ないなと、そ~っとドアを開けてみる。


ベッドラックにPC

その前に座って何か打ってるトーニョと…その足の間に抱え込まれるように座っているアーサー。


はい、これは邪魔だなと、ギルベルトがクルリと反転しかけた時、後ろから呼び止められた。





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