そうしてエリザとヨイチに拉致られていくトーニョとカオル。
代わりに入るシドニーとティモシーと戻ってくるアリス。
とカオルとそっくりな挨拶で入ってくる二人に
『シドニーもティモシーも迷惑かけてごめんなさいっ。
私なら一人で釣りでもしてるので、ホント気にしないで下さい』
と、恐縮するアーサー。
そのアーサーの言葉に
『いやいやいやwww』
と、揃って言う二人。
『今イルヴィス1の有名人にしてヒロインの姫様とご一緒できるなんて機会、カオルの奴よくやりやがったぜこのやろ~って事で、今度二人でカオルにメシおごってやるという約束をしてたとこでwww』
『問題は…どうやって姫様を街から連れ出すかだなっ!知恵出せ相棒!』
『オシッ!俺は知恵出すっ!お前は金だせっ!』
『なんでやねんっ!(>_<)ノノ』
相変わらずノリの良い二人にリアルで笑い転げるアーサー。
結局みんなで囲むようにして包囲陣突破。
『どうしよっか。狩りしようにも盾いない』
と、外に出てふと気付く一同。
『盾やれ、2号』
『モンクにそんなムチャをっ。お前がやれっ3号』
『そんなんもっと無理やんww』
まあそうだ。
『しかたないっ!とっておきを出すかっ!』
ティモシーがポンと手を打つ。
『とっておきあるなら、さっさと出さんかいっ!』
ペチコンとティモシーの頭をはたくシドニー。
『んじゃ、一発手品で盾召喚しま。
ギルド会話でカモ~ンと唱えたらあら不思議w』
『それのどこが手品じゃっ!』
『いや、忙しいはずのうちのギルマスが何故か他振り切って来るあたりがイリュージョンww』
ちょっと硬直するアリス。
『あ、大丈夫っ!実はベンとかいう落ちはないんでっ』
ギルベルトとフランも一瞬それを思ったが、さすがにそれはなかったらしい。
そして待つ事数分。
白い鎧が近づいてくる。
あの…爽やかさ満載のオーラは……
『お~きたきた!』
ティモシーが手を振ると、その白い鎧のガーディアンは軽く手を振り返し、アリスの前まで来ると膝を折ってお辞儀をした。
「あ…エドァルドさん、お久しぶりです」
と、アリスはにこやかにワンピースの端をつまんで優雅なお辞儀を返す。
そしてパーティに加わるエドァルド。
『ティモシーのギルドのギルドマスターってエドァルドさんだったんですね』
アリスの言葉に、
『そそ。優れ者なんで実は例の跡取り様なんじゃないかと噂のうちのギルマスっす(^o^)』
とティモシーが答える。
それに対してエドァルドは
『騒がれすぎてちょっと困ってるんだ(^^;』
と苦笑い。
肯定でも否定でもないと言えばそうだけど…そういう言い方するとなんだか肯定に取れちゃうよな…と少し複雑なギルベルトとフラン。
彼が跡取り様ではないということを知っているのでなんだかもにょもにょだ。
まあ…それでもそれを言うわけにもいかないので、そのまま狩り開始。
タゲ取り能力はともかくとして、確かに固くはなってきたな~…前よりは格段に上手くなった気はするなエドァルド…とは思いつつも、普段タゲって動かない前提でやってるから…もにょもにょ…と、思うギルベルト。
こうやってアントーニョ以外の盾と一緒にやってみると、あらためて今回の盾役としてのアントーニョの優秀さがよくわかる。
元々はあまり深くモノを考えずに感覚で動くタイプだったアントーニョが、ここ最近ずいぶん考えて行動している気がする。
リアルでも3人の中では一番机に向かう時間が少なかったのだが、ここ最近の猛勉強ぶりは目を見張るものがあった。
ゲームの4時間と3回の食事、シャワー以外の時間はほぼ朝から晩まで参考書に向かっている。
元々ここ一番の集中力や精神力は一番あるタイプだ。
体術もそうなのだが、いつも飽きっぽく続かないだけで、アントーニョの短期間の瞬発力は自分をも軽く凌駕するとギルベルトは思っている。
おそらくこの勢いで勉強を続ければ、3年の1学期の中間ではトップクラス、期末では下手すれば10位以内くらいに入るのではないだろうか…。
情熱のラテンの本気は真面目にあなどれない。
その原動力であるアーサーがそこに居続けたら、こいつは化けるかもしれない。
そういう意味ではアーサーに出会ったのはアントーニョにとっても良い転機になったのではないだろうか…。
そんな事を考えながら1時間ほどそうして狩りを続けた後、エドァルドがアリスにニッコリ
『姫、疲れませんか?少し休憩いれましょう(^^』
と安全地帯に促した。
しかたなしにそれに続く4人。
『そういえば…今回のコンテスト、ベストヒロインとヒーラーと2部門受賞おめでとうございます。実は僕、両方姫に入れちゃいました(^^』
ま、いいんだけどね…と苦笑するフラン。
ようは…アリスと話したくてわざわざ他振り切って来たんだよね…と思ってるとティモシーからウィスがくる。
(ごめんな~。知ってる盾ん中ではとりあえず一番使える人なんでっ。
姫様ファンなのは許してねっw)
確かにアントーニョを抜かせばかなり使える部類にはなってるし…まあしかたない選択ではあるんだよね…と、フランは苦笑して
(いいよー。こういう人は慣れてるしw)
と、返しておく。
『ありがとうございます。
エドァルドさんもベストヒーローに選ばれていらっしゃいましたよね。
おめでとうございます。』
アリスが返すと、エドァルドは嬉しそうに
『ありがとうございます。ヒロインの姫と並ぶヒーローに選ばれてとても光栄です』
と微笑んだ。
(まあ…アーサーが選んだわけじゃないんだけどな)
と、その時まさにフランが考えてたのと同じ事を考えてたらしいギルベルトがウィスを送ってくる。
結局その後1時間ほどそんな風にエドァルドがしゃべってて、その後狩り再開。
0時前までパーティをやって解散した。
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