初日 ― キャラ作成
「やっぱりあれやな、男のロマンやんな」
「うん、お兄さんもそう思うよ。アクセサリーとか可愛いしさ、つけさせたくない?」
「めっちゃつけさせたいわ。」
こそこそと悪だくみをするキャラ作成組。
自分達のキャラは前回と同じで良いかと半ば投げやりにさっさと作った後、秀才組二人のキャラ作成に勤しんでいる。
「あーちゃん、可愛ええわ、あーちゃん。プリーストの初期装備ええなぁ…」
と、アントーニョが作成しているのは女プリースト。
「露出少ないように見えて、でもちょぃ動きやすくするためスリットとか入ってんのが憎いやん…こう清楚な感じな中のこういう隙を見つけて剥くのがええねん」
と、なにかスレスレな言葉を吐きながら画面上の女プリーストの顔立ちをアーサーに近付けようとカチカチやっている。
「トーニョってさ…意外にうまいね」
と、隣からのぞくフランにアントーニョはきっぱり
「あーちゃん限定な。愛に生きるラテンの情熱なめたらあかんで」
と、無駄に燃え上がらせている情熱を語る。
「お兄さんだってね、愛を語らせたら負けないよっ。
…使うのがギルちゃんていうあたりでちょっと萎え萎えなんだけどね……
でもシーフの初期装備良い感じにクールなだけじゃなく色っぽくできてるからいいよね。
やっぱシーフはへそ出しは譲れない」
と、そこでまた無駄な対抗心を燃やすフラン。
見て見てとせっつかれてチラリとフランのPCに目をむけるアントーニョ。
「あ~、中身がギルちゃんやって思わへんかったら、ええ線いってんなぁ。
腰のラインとかの色っぽさがさすがフランやね。
ま、俺のあーちゃんにはかなわへんけど。
ほれ、完成や!親分の愛と欲望の結晶やで」
と、じゃ~ん!とフランの方にPCを向けた。
「うあぁぁ、何これ!かっわいいなぁ。そっくりじゃん」
と感嘆の声をあげるフラン。
「せやろ~?名前も変えなあかんねんけど、あまりに違うてもなんや調子狂うから、アリスにしてみてん。
これやったらそのままあーちゃんで行けるやん?」
「あ~、名前も女の子のにしないとねぇ…。ギルちゃんだとなんだろ~。
個人的好みでマリアちゃんにしよっと♪」
「あ~、まあギルちゃんはなんでもええわ。
とりあえず変えられへんように決定ボタン押したろ」
「そうだね~」
と、二人揃ってキャラの確定ボタンを押した時、仕様のチェックを終えた秀才組から声がかかった。
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