こうしてスペインが絶賛ラテンの血を発揮している頃、会議場で床に資料をばら撒いたまま気を失っていたポルトガルは、早々に会議場入りしたドイツに起こされ、
「何故昨日のうちにきちんと準備しておかないのだっ!!」
と、怒られる。
ポケ~っと床にへたり込んでいるポルトガルにため息をつくと、
「もういいっ!俺がやるっ!」
と、書類を持ってコピー室へと向かった。
たぶんスペインが諦めた調子の悪いコピー機も、ドイツなら修理して使ってくれるだろう。
そうしているうちに続々と会議場入りする国々。
「あれ?イギリスは?」
と、不思議そうに首をかしげるフランス。
そこでスペインは?とならないのは、普段早いイギリスと遅刻魔のスペインの違いだろう。
感心なことにあのコピー機を本当に直して使ったらしい。
まとめた資料をドイツが手早く配っていく。
こんなことならスペインじゃなくドイツを自宅に泊めて一緒に会議場入りして支度を手伝ってもらうんやったわ~と、ポルトガルが呑気に思っていると、
「で?スペインはどうしたっ?!イギリスも来てないがっ!!」
と、きりきり仕切り始めるドイツ。
そこでギロっと自分を睨むのはやめて欲しい…と、ポルトガルは思った。
確かに…確かに弟分をいじめるのを少し楽しんでいた事は認めるが、あいつが暴走したのは俺のせいちゃうわ~と、主張したい…が、事情を全部説明するのは面倒くさい。
そして出た言葉は
――アンニュイやわぁ~
ピキッと一瞬固まって、
「ポルトガルゥゥ~~~!!!!」
と叫ぶドイツ。
いや、ほんま俺関係ないのに何で怒られとるん?
ほんまアンニュイやで~?
と思うものの、それを言えば余計に収まらないだろう。
そこでため息を1つ。
その様子に諦めたドイツが、スペインとイギリス不在なまま世界会議を仕切っていく。
開催国どこだ?と思わないでもないが、これも開催国が一部のやる気のある、もしくは責任感を感じやすい国でない場合の様式美だ。
そして世界会議は今日も踊って終わるのである。
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