5つのペナルティ_9(完)

――今度のお正月はどうされますか?

とイギリスの携帯に送ったメールには何故かというべきかやはりというべきか、しっかりスペイン語で

――今年は数百年ぶりに夫婦で過ごすから失礼するわ。おおきに。

という返事が返ってきた。



(最後のペナルティは無事クリアされたみたいですね)
と、日本は満足気に頷くと、携帯を置いた。



妄想力を駆使して、米英、仏英をモデルにしたものを中心に描いてきたが、それもそろそろ辛くなってきた。
よりリアリティと新しい要素そしてなにより受けの幸せな話が欲しい

イギリスが一緒に過ごしそうなあたり…ポルトガルやフランス、プロイセンを遠ざけ、スペインがその悪友達以外に一緒に過ごしそうなロマーノを遠ざけた甲斐があったというものだ。


『坊っちゃんよりスペインに告白させるほうが楽じゃなかった?』
と後に事情を知ったフランスに聞かれるが、それは早計というものである。

ペナルティとしての告白だろうとスペインは言質を取ったとばかりにそれを取り消させないだろうが、イギリスにそれをやれば、下手をすれば相手の言葉に不信感を持って数百年は逃げまわる。

だから告白をさせる事ではなく、関係を結ぶということに意味がある以上、イギリスの方に告白させるという形を取らねば意味がないのだ。

そして…イギリスの携帯に送ったメールに対しての返信がスペインからだったという事は、それが正しかったのだろうと推測される。

まあ…スペインなら牽制の意味も含めてわかりやすくバカップルなところを見せつけてくれるだろうし、ネタ的にも親友の幸せ的にもめでたしめでたしだ。


そしてもう一つ…今朝届いた小包はベラルーシ発の魚介詰め合わせ
最終的に今回の首謀者が日本だと知った上での礼とのことだ。

普段日本で正月を過ごすことの多い英仏二国はそれぞれ楽しく過ごすということになるだろうし、今年の正月は可愛い孫と魚介食べ放題になりそうだ。

よっこいしょ…と、日本は立ち上がって割烹着を付けた。

にほ~ん!俺頑張ったんだぞ☆

と、満面の笑みで駆け込んでくるであろうヒーローを美味しい料理で迎えてやるために。


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