ローズ・プリンス・オペラ・スクール第十章_2

金色の夢・黒い現実


夢を見た…

少し菊に似た雰囲気の綺麗な黒髪の青年。
白い竜に取り込まれた竜から唯一外に出ている顔は青ざめて、震える口からこぼれ出す――すみません……の言葉は誰に向けられたものなのか……

伏せられたパサリと音がしそうなくらい長いまつげを通して零れた涙の雫が床に落ちた瞬間、現れた金色に輝く卵…。
それを見届けた瞬間、薄い唇の端からツ~っと紅い血が滴り落ちて、少年はがっくりと頭を垂れた。
色を無くしていく顔…。
呼吸を止めたその様子に、舌を噛んだのだと理解した。

顔以外で唯一わずかに外に出ている指先には艶やかな青い石のついた指輪。
あれはおそらくターコイズ。

その指輪ごと遺体はズルリズルリと白い竜の中に消えていく。
呼吸を止めた遺体は空気を取り込ませる必要がないとみなしたのだろうか…。

――魔王の誕生…これで我らは絶滅から救われる…

白い竜の言葉が何故か流れ込んでくる。

――あとは…魔王の花嫁をみつけるだけ……金の魔王に相応しい花嫁を……





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