「あいつ…本当に来るんだろうなっ?!」
こうして待つことおそらく1時間以上。
もしかしたら2,3時間はたっているかもしれない。
どうやら触手を切ると切り口から催淫効果のある煙が出るらしい。
長くいるとこちらにも僅かにだが漂ってきてフランシスは自分も袖口で口と鼻を覆った。
そんな理由から無差別に斬りまくるわけにも行かず、フェリシアーノが完全に部屋の奥に引きずり込まれないように最低限の触手を切り落とし続けるギルベルトにも疲れと…煙の効果に少しずつ毒されつつある様子が見受けられ始める。
ギルベルトが崩れたら、効果がほぼないに等しい魔法を使っても仕方ないので、フランシスも切るという目的のためだけに宝玉を剣に変えて、ギルベルトとチェンジかもしれない。
――お兄さん…ああいう美しくない生き物嫌いなのに…
紫の半透明のぶよぶよとした触手に目をやって、フランシスはなさけない顔をする。
それでもやるしかない。
覚悟を決めてそろそろ代わろうか?とギルベルトに声をかけようとフランシスが口を開いた瞬間、待ちに待った足音が聞こえてきた。
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