乙女の本気・お兄さんの苦笑
「え?君も?」
これで今日、明日、明後日の3日連続の休暇願いが2人目。
フランシスは一応了承しながらもため息をついた。
そうしているうちに3人目が休暇を願い出て来て、さすがにフランシスも苦い笑いをもらす。
「なんか…さっきから君で3人目なんだけど、この期間の休暇願い。他の日じゃ駄目かな?」
フランシスの言葉に3人目の部下は胸の前で手を合わせて半泣きで、デスクに座るフランシスを見下ろした。
「お願いしますっ、部長。もう一生のお願いっ!どうしても今度の戦勝祝賀会までに世界一素敵な衣装を用意したいんですぅ!」
彼女の意外な言葉にフランシスはおやっと眉をあげた。
「もしかして…今までのお嬢さん達も同じ理由なのかな?」
「たぶん…。」
「なるほど…。」
このところ医療本部も鬼のように忙しかったし、そうやって女の子が息抜きにおしゃれをしたいというのは良い事だ。
可愛い可愛い働き者のお嬢さん達がそこまでオシャレを楽しみたいというなら、フランシスとしても止める気は起こらない。
最悪人手が足りなければ自分も久々に現場のシフトに入れば良いかと思い
「しかたないな。そのかわり祝賀会終わったら仕事頑張ってね。忙しくなるから。」
と、許可すると、
「ありがと~ございま~す。やっぱり部長は女性の味方ですよねっ♪」
と、嬉しい言葉と共に部下の女の子は軽い足取りで部屋を出ていった。
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