親分は頭を打った事にしました_2

作戦


「そうやん、一度他人に戻ってみればええんやん」
他人としてイギリスと接してみる…それは自分でも良い案に思えた。

今の他人よりはるかに低い所から始めるのは厳しいが、他人くらいからなら押しに弱そうなイギリスを押し切る自信もある。

そう…国のゴタゴタが起きる前の子ども時代のイギリスには間違いなく好かれていたのだ。
全くの初対面から始めれば嫌われるより好かれる要素の方が多いのではないだろうか…。

もちろん本当に初対面の他人などになりようはないわけだが、そこで秘策、【記憶喪失作戦】だ。
なんらかの事故で記憶喪失になったふりをし、今までのスペインとイギリスという関係をとっぱらった形でイギリスに接してみる。

あとでスペインの記憶に残らないとなれば、イギリスとてスペインに本音で…スペインに対する恨み言くらいはこぼすだろうし、それを言われれば上手にスペインの側には悪気はなかったのだと、弁解もできるだろう。

そこで恨みつらみを少し和らげておけば、今よりはもう少し話を聞いてもらえるかもしれない。

まあ…あまりに恨みが深いようなら、逆に記憶喪失のふりで側に居続けて、記憶が戻っても消せないくらいの新しい良い関係を築けばいい。

それが出来るのはイギリスに特別な相手がいない、自分が側に居ることに問題がない今のうちだ。


決行を決意すると、スペインは怪しまれないようにさりげなくプロイセンにも会議後しばらくこちらに滞在するよう誘いをかける。

いざという時、過保護な兄の親愛か幼馴染の親愛から派生した恋情かが微妙なフランスの協力は期待できない。
が、基本普段一人楽しすぎる分、皆が集まった時には皆仲良くわいわいやりたいプロイセンは、それが関係改善のためと知れば協力してくれるはずだ。
問題はどこでそれを明かすかなわけだが…う~ん……。

「なあ、プーちゃん、ちょっとええ?」

プロイセンはああ見えて策士だ。
たとえ自分の色恋沙汰限定でモニョモニョでDTでも策士だ。

まあ…義理堅い男でもあるから、こちらが真剣で自分にとって著しく不利益なことでもなければ邪魔はしないだろう。

そう判断してスペインはホテルに帰ると、プロイセンにメールを送った。


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