空気が微妙に変わった事でコウもピアノを閉じるとキッチンへ向かい、料理を運ぶのを手伝う。
しかし…いったいなんだったんだろう…。
不思議に思いつつも降りて来た面々と挨拶をかわす。
「あれ?剛は?」
みんな揃った所で一人来ない木村に気付いて真由が同室のはずの田端に目を向けた。
「なんだよ、お前と一緒じゃないのかよ?目、覚めたらいなかったから二人で空き部屋ででもいちゃついてんのかと思ってたぜ」
「私は昨日、夕食が終わって分かれたきりだけど…」
といって真由はさらに柿本と湯沢に目を向けるが二人とも
「俺らの部屋にも来てないぜ?」
と首を横に振った。
「もうっ!勝手なんだからっ。いいよ、来たらつまめるもん何か残しておいて食べちゃおっ。」
由衣がぷ~っと頬を膨らませた。
「ま、それでいいんじゃね?もしかしたらまだ昨日の件ですねてんのかもしんねえしなっ」
仲が良かったはずの田端も前日もめたためか意外に冷たい。
「一応…そうしようか。いつ戻ってくるかもわからないしね。」
最終的に拓郎が言って、全員が朝食にした。
そして食後。
後片付けが終わると跳ね橋がおろされた。
「昨日の…確認に行く?」
一応覚えていたらしい。由衣がアオイに声をかける。
「え~…でも…ちょっと怖いなぁ…」
躊躇するアオイに由衣が吹き出した。
「万が一ね、万が一アオイちゃんが考えてるようにお化けとかいて、そうだったとしたってね、今は朝よ?
怖い事なんて全然ないってっ!」
まあそれもそうだ。
その二人のやりとりに全員なになに?と寄ってくる。
「ほ~、そんなもんだったら俺らも行ってやるぜっ!」
昨日コウにのされて格好わるいところをみせてしまってここら辺で挽回したい空手部3人組はうでまくりをした。
「怪しい奴なんていたらのしてやるよっ!」
と、威勢のいい言葉を吐いている。
「じゃ、二手に分かれようぜ」
一応3人組が提案するが、
「じゃ、私碓井君と~♪」
「私も~」
「あ、ずる~い私も碓井君といきた~い♪」
と、女3人はコウにかけよってしがみつく。
結局怖いからと拓郎と宿に残ったアオイ以外の全員で宿の周りを一周することに。
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