ペナルティらぶアナザーSBG_18_波乱含みの報告会_宇髄視点

──久しいな、不死川っ!

ドアを開けて中に促すと、錆兎はまずきっちんに荷物を置いたうえで、リビングの実弥にそう声をかけた。

実弥の方は待っていただけに
──おう!先週ぶりだなっ!でっ、例の……
とどっかり座り込んでいたソファから身を起しかけたが、錆兎は

──報告はするが、10分待て。先に料理を並べてからな?
と、それを笑顔で制した。

──そうだなっ!飯食いながらだなっ!
と、普段ならなんでも自我を通したがる実弥だが、今日は機嫌が良いのもあって、大人しくソファに座りなおす。

「じゃ、そういうことで俺と義勇で皿に並べるから、宇髄は飲み物の準備をよろしく。
ちなみに俺は車だからノンアルな。
この前淹れてくれた冷茶がいい。あれ、美味かった」
と、錆兎はそう言いつつまずは重箱の料理をリビングのテーブルに。
その後、冷蔵の料理の一部を手際よくテーブルに出しておいた皿に綺麗に料理を並べていく。

そうして全てを並べ終わる頃に宇髄も飲み物とグラスの準備が終わり、なかなか見事な宴会の準備が出来上がった。

──料理はまだあるが、並べきれないし少し減ったらな。
と言うのは、さきほどの話のように、ぶちまけられたら掃除が大変そうなものはまだ出していないからだ。

もちろんテーブルに並ぶ料理の種類が、拾えば済むものばかりなことには実弥は気づく様子はない。

ただただ上機嫌で、
──ま、乾杯しようぜェっ!!
と珍しく他人にも酌をしようと冷酒の瓶を手にするが、錆兎はすっと自分のグラスの上に手をやって

──俺は車だから。すまないな
と、暗に今日は飲めないと口にする。

普段の実弥なら一度薦めたなら引っ込みがつかず、しつこく薦めるところだが、今日は本当に機嫌がいいらしい。

──そうか。じゃあノンアルなァ。宇髄、なにがある?
と素直に酒をひっこめた。

そんな実弥の様子に錆兎は笑顔だが義勇は驚きで目をまん丸くしている。
宇髄だってびっくりだ。

それでもなんとか全員に飲み物がいきわたって、一応主催ということで宇髄が音頭を取って乾杯する。

そこまではまあいい。
ここからだ。

──義勇、呑む前に少し食っておけよ?特別に鮭大根取り分けておいたから…。

本題に行くべし!!と勢いこむ実弥の前で、片付けが大変な汁物は後でと言いながら、義勇の分だけ取り分けておいたらしい。
錆兎が器に盛った鮭大根を小さく切って手ずから義勇の小さな口に運ぶ。
義勇も義勇でそれに戸惑いを見せることなく、当たり前にあ~んと餌を待つひな鳥のように口を開けて食べさせられていた。

それを驚きの目で凝視する実弥の視線に、錆兎は笑って
「ああ、いつも義勇が食う時に口元を汚すのを不死川に怒られるというから。
今日は酒も入っているし話さねばならないことを話す前に感情的になってもめるのもなんだから、汚さずにすむように食わしている」
と義勇の小さな口に大根の切れ端を放り込みながら説明をする。

──な、なるほど。確かにそうだなァ…

少し酒も回っていて正常な判断ができていないのだろう。
実弥はまだ動揺しながらも、珍しく流された。

──そ、それで鱗滝ィ、本題なんだがァ……

と、それでも一刻も早く先に進めたいのだろう。
実弥がおずおずと切り出すと、錆兎は余裕の表情で

──ああ、大丈夫。ちゃんと本題は覚えているぞ。
と言って、手では義勇の食事をとり分けながらも、視線は実弥へと向けて言った。








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