そこからは早かった。
翌日は金曜日ということもあり、宇髄が家に来いというので行くことに…。
そしてその時に宇髄が自身の親しい友人の鱗滝錆兎も呼んだというので、察した。
鱗滝にさせることにしたのか…。
と、実弥は宇髄のその人選に感心する。
鱗滝錆兎…一流大卒で学生時代には剣道の全国大会で優勝したという文武両道。
営業企画部のエースで顔も良し。
性格も良く目上は立て、同期には親切で、後輩に対してもとても面倒見が良い先輩として慕われている。
貞子の漫画に出てくる主人公を振る男も確か生徒会長でスポーツも万能。
顔も当然良くて校内の人気者と言う完璧な人間として知られている男だった。
実弥が多少金を積んで依頼したとしてもここまでの男は動かせない。
さすが宇髄!コミュ力Max男!というところである。
さらに招いた宇髄が普通に依頼して台所に立った錆兎が作って運んできた酒のつまみは見た目も美しく食っても旨い。
ということで、料理も得意らしい。
確かに理想的な恋人になりそうな男だ。
これに弄ばれたらかなりショックだろう。
そのショックが大きければ大きいほど慰めた時に実弥に対する好感度は爆上がりするに違いない。
そしてそんな男でも苦手なことはあるようで、その後に余興として巻き込んだ罰ゲーム付きのカードゲームではあっさり負けてくれて、計画通り義勇に告白をさせることになった。
旨い酒、旨いつまみをたらふく飲み食いして、目的も達成。
酔いもほどよく回った実弥はそのまま宇髄のマンションで酔いつぶれて寝てしまったのだが、翌朝目を覚ました時にはすでに錆兎の姿はない。
──あれ?鱗滝は?
と問えば、
──もう帰った。お前も適当なとこで帰れ。俺はこのあと用事があるから。
と言う宇随の声がどことなく冷たい気もするのだが、まあ前日にさんざん呑んで宇髄もつかれているのかもしれないと思って、実弥は早々に帰宅する。
そういえば罰ゲームの結果はいつ頃出るのだろうか…と帰宅後に気になって宇髄にLINEを入れると、
──冨岡の連絡先は教えといたから多分今日明日には行動するだろうよ。
と用件だけ返ってきた。
色々と口数の多い宇髄にしては珍しいなと思ったが、朝に今日は予定があると言っていたから、デーとか何かの最中なのかもしれない。
そうだとすればとんだ邪魔をしてしまった。
──わかった。忙しいとこ邪魔して悪かった。
と、実弥もそれだけ返して、その気になれば義勇と顔を合わせることもできるであろう翌平日、月曜日を待つことにした。
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