ペナルティらぶアナザーSBG_5_画策_実弥視点

部屋に戻った実弥は即宇髄に電話をかけた。
そして一気に自分が思ったことを宇髄に話す。

誰か義勇を罰ゲームで告白をしてくれるイケメンを紹介してくれ!
…と、貞子の少女漫画の話をしながらそういうと、返ってきたのは

『てめえはバカか?』
と言う呆れた言葉だった。

『惚れてんだろ?わざわざ傷つける事してどうするよ?』
と言う宇随はわかっていないと思う。

「だからぁ~!そのあと俺がちゃんとフォローして慰めてやるからっ!
それで冨岡だって立ち直ってめでたしめでたしだろぉ?!」
と仕方なしに説明してやると、宇髄は電話の向こうで深いため息をついてみせた。

『わざわざ冨岡に嫌な思いさせるこたぁねえだろ?
つきあいたきゃちゃんと優しく接して地道に気をひけ』

「んなこと言ったって、そんなことしてたらつきあえるの何年後だよ。
手っ取り早い方法があるのに時間がもったいねぇ!」

そう、人の一生なんて短いのだ。
これから地道になんてまどろっこしい事はしていられない。
…というか、何もないのにいきなり優しく口説くなんて出来るわけがない。

そう主張したら宇髄が無言になった。

そしてその長い沈黙のあと、ぽつりと
『相手が冨岡だろうと誰だろうと、お前は恋愛に向いてねえわ』
と、やや機嫌の悪そうな声が返ってきた時点で、ああ、これはダメなんだろうと思った。

なので
「あ~、じゃあもういいわっ。自分で調達するっ」
とそれに実弥が答えると、宇髄はさきほど以上に大きな大きなため息をついて

「おかしな奴にそういう事頼むとあとあと面倒くせえ。
仕方ねえからとびきりのモテ男を連れてきて告白させてやるが、断言する。
てめえの計画は絶対うまくいかねえよ。
惚れた奴を敢えて傷つけてまでてめえの欲求を満たそうとするやつに加担するほど神様はろくでなしじゃねえ」
と言う。


確かに言われてみれば、最悪金で雇おうと思っていたのだが、そんな依頼を受けるやつはロクな人間じゃない気がするし、なんならあとで実弥が今回の諸々を企てたのだと揺すられる可能性だってある。
確かに面倒くさいことになる可能性が非常に大きい。

なんのかんので宇髄は身内に甘いので、上手に告白して上手にOKをもらって上手にふってくれて後腐れもない人材を用意してくれるのだろう。

「おう!今回で最後!ほんっとうにバカなことやんのはこれっきりにするから、まあ頼むわ」
と、後半の諸々には普段なら一言二言文句を垂れるところだが聞き逃すことにして、実弥は心の中で宇随大明神に手を合わせておがみつつ、電話を切った。

そう、決して聞き逃してはならない大切な部分をスルーしたという自覚は当然ながら実弥にはない。

全てが終わったのちに思い返してみれば、その言葉はこれまで無条件に実弥をフォローしてくれていた男の中で起こった変化の始まりだったのだが、この時はそれにまったく気を払っていなかったのである。








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