ペナルティらぶVer.SBG_29_ライバル爆誕?!

実際、あれだけ揉めて怒ったように逃げて行った不死川は、いつもなら文句と言うか暴言を吐きにわざわざフロアを超えてくるところなのだが、来なかった。

その翌日は休日で宇髄も一緒に裏庭で色々収穫をしたり美味しいものを食べつつおしゃべりをして過ごして、さらにその翌日の水曜日。

社内の弁当持ち寄り組のために解放されている広いフロア内で錆兎や宇髄と共に錆兎作の重箱入りの弁当を広げようとしている所に何故か通りかかった不死川はきょろきょろと何かを探しているようだったが、義勇に目を止めてこちらへ近づいてきた。

ぎょっとして身を固くする義勇だが、すぐに錆兎がいるから大丈夫!と思いなおす。
それでも完全にいつも通りというわけでもなくて、ぎゅっと錆兎の服の裾を掴んだ、

それに対して錆兎は
──大丈夫だ、義勇。不死川はもうお前に嫌なことはしないし言わない。させないし言わせない。
と、実に頼もしいことを言ってくれる。

そんなこと、出会って早18年間、誰も言わなかったし言えなかったのだが、錆兎が言うと不思議と信じられた。


錆兎は義勇にそういったあとに、不死川に

──不死川も昼食を一緒にどうだ?

なんて、まるで不死川じゃない人間に対するように気軽に声をかけるなんてとんでもない行動に出るが、驚いたのは言われた不死川の返答である。

──いや、いくらお前がいても俺が居たら冨岡に緊張させるだろォ。言いたいことを言ったら今日は社食行く。

なんて、不死川にしてはありえない、義勇を気遣ったような発言をしてきて、義勇は今度こそ本当に驚いた目を彼に向けた。

それに対して錆兎も宇随も特に引き留めはしない。

それどころか、錆兎がくすりと笑って怯えた子猫のように義勇がぎゅっと爪をたてんばかりにつかんでいる自身の腕に視線を落とすと

──あ~、そうか。いつか義勇がお前を見ても俺の服を掴まないくらいになったら一緒に食おうな。

なんて言うので沸点の低い不死川にそんなことを言って大丈夫かと思ったのだが、不死川はこれにも苦笑で答えるのみである。

なに?何が起きている???
と、ここまでで十分すぎるほどにわけがわからなさすぎて義勇の脳内ではてなマークが大運動会だったが、このあとの不死川の行動はまさに青天の霹靂と言っていいものだった。

──冨岡ァ…これまで色々ひでえこと言ったり殴ったりして悪かったァ!
──ええ???!!!

ガバっといきなり頭を提げられて義勇は目をまん丸くして固まる。

「仲良くしてえって思っていたら逃げられて、それに腹立てて暴言暴力繰り返してた。
自分が悪いのに最低だよなァ…。
ほんっとに悪かったっ!
これからしばらくは距離置いて、他との付き合い方とかをわりとアバウトで気にしない奴で練習してくるから、また大丈夫そうなら宇髄も鱗滝も一緒に飯でも食いに行かせてくれ」
と言うだけ言って、怒鳴りもせず威嚇もせず離れて行った。


なに?何が起こった?
暴言暴力のない不死川なんて不死川の偽者じゃないのか?!
と、さすがに今のなぜか温和になった不死川でもブチ切れそうなことを思う義勇だが、

──ウサ、普通のリーマンより教師にでもなった方が良くね?
と、宇髄がニヤニヤしながら言うので、あれは不死川の偽者ではなく、改心した不死川と言うものなのだろう。

そう認識すると、次に義勇の脳内を占めるのは
(さすが錆兎だっ!!)
という一言に尽きる。

元々顔がすごく良くて顔が素晴らしく良くて顔が世界の至宝レベルで良いだけではなく、しご出来で、性格が良くて完璧な男だと認識していたが、一緒にいる時間が長ければ長いほど、その素晴らしさを再認識させられる。

こんな男が自分を恋人に選んでくれたなんて本当に信じられない。

というか、義勇自身、錆兎に対しては恋人と言うより推しが常に自分と居てくれる乙女ゲームの中にいるような気分になっていた。


しかし……

コミュ力Maxな宇髄ですら20年弱頑張って変えられなかった不死川を変えられるなんて本当にすごい!
最初はそんな風に感動していた義勇だが、ある日ふと気づいてしまった。

不死川だってバカじゃないのだから好意を持っている相手からは良い人間に見られたいのだろう。
つまり……不死川が好意を持っている人間がここにいる!

その発想は正しい。
正しかった。
まさに不死川がずっと気づいて欲しかったところだ。

が、肝心なところで明後日の方向へと思考がずれていくのが義勇である。

そう、その相手が自分だとは思ってもみない。
義勇は思ったのだ。

──そうかっ!やつも錆兎を狙っているんだなっ!!

……
……
……と。







2 件のコメント :

  1. 義勇さんは同担絶対拒否なんですね( *´艸`)

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    1. そうですねw
      うちは錆は自己肯定感高めで本気を出した自分よりも義を幸せにできる人間はいないと思っているので、余裕あり>同担歓迎で、義は自己肯定感低めなので、取られてしまうかも?>同担拒否な感じです😁

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