──じゃ、とりあえず乾杯っ!
と、なぜか部外者に仕切られて、それでも実弥は仕方なくビールのジョッキを抱えて飲み干した。
実弥がそんなことを考えてちらりと宇髄に視線をやると、宇髄は錆兎をちらり。
すると錆兎は
──で?誰が話すんだ?俺でもいいが…
と言う。
いやいや、違うだろォ。
お前、唯一の部外者じゃねえかァ!
と実弥は思ったわけなのだが、そこで同じことを思ったのだろうか。
非常に珍しいことに
──俺のことだし俺が…
と義勇が手を挙げた。
それに宇髄は非常に困った顔をし、錆兎の方は笑顔で
──そうか。偉いぞ、頑張れ!フォローが必要になったら入れるから。
と、頷いて見せる、
それを見て、まるで子どもを励ます教師のようだな…と、実弥は他人事のように思った。
その励ましを受けたからか、義勇はコホンと咳払いを一つ。
そして珍しく実弥にまっすぐ視線を向けた。
これは…来たかっ?!いよいよ告白かっ?!
実弥はいまばかりは余計な口も出さず、その視線を真っ向から受け止めた。
にこっと笑う義勇。
そう、笑ったのだっ!
自分に義勇が笑いかけるなんてどのくらいぶりだろう…いや、初めてかもしれない。
いつも笑うどころか怯えた顔か泣き顔しか向けられたことがない。
それだってまだいい方だ。
普段は視線を合わせることもなく逃げられていたのだから。
否が応でも高まる期待。
──不死川…
とこれもおそらく初めてくらいに義勇の方から名を呼ばれ、柄にもなく緊張して声もでなかった。
来るぞ、来るぞ、来るぞっ!!!
──約束通り、告白してOKもらったっ!
──へ???
一瞬意味がわからなかった。
──告白……なんて知らねえけど?
と思わず返すと、義勇は
──いや、告白するのは不死川じゃなくて、俺だろう?
と不思議そうに返してくる。
──だから…俺はてめえに告白なんてされてねえ。
──???なんで不死川に告白っていう話になっているんだ??
義勇は心底意味がわからないと言う風に、こてんと小首をかしげた。
その仕草は成人済みの男性とは思えないほど可愛らしい。
そう、とても可愛いが意味はまったくわからない。
そこで実弥が思わず隣の宇髄に視線を向けると、宇髄は片手で顔を覆って、
──だ~か~ら~!俺はあの日追っておけと言ったんだ。冨岡は”誰かに告白する”って理解してたんだから。
と言いつつ、はあぁぁ~~と大きくため息をついた。
一方で義勇の方も不死川の発言が全く理解できず、困って錆兎の顔を見上げている。
それに錆兎は
──義勇、頑張ったな。あとは俺が引き継いでいいか?
と笑顔を向けつつ聞いて、義勇がこっくり頷くのをきちんと確認したうえで、実弥を見た。
そしてその衝撃的な言葉を口にしたのである。
──義勇が告白したのは俺に対してだ。で、俺もOKした。
──ちょっ!!待てぇっ!!!
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