ペナルティらぶVer.SBG_8_すれ違いとアポイント

頼みの綱の杏寿郎からも状況を聞き出せず、宇髄は途方にくれた。

こうして可能性は限りなく低いはず…とは思うものの落ち着かないでいると、なんと夕方頃に錆兎の方からLineが入った。

『何度も連絡が入っているが急用か?
ちょっと今は時間がない。
火急の用事でないなら、月曜日に昼飯でも食いながらでいいか?』
という実に錆兎らしい無駄のない…しかしやるべきことを具体的に提案する形の返答である。

特にいつもと変わらないその返答で、宇髄は自分の勘違いだったか…と少し思い始めたが、どちらにしても同じく連絡のつかない義勇に関して、週明けの様子次第では彼を知っている、けれど近くもない信頼できる第三者に相談というのも悪くはないと思って、了承の旨だけ送っておいた。

さて、そうなると義勇はいったいどこに行ったんだろうか…

Lineも電話も応答がないので、一人暮らしをしているアパートまで見に行ってみたが居ない。
まさかナンパしてそのままお持ち帰りをされてしまったとかだろうか…
ぼ~っとして少し抜けたところがあるので、心配になってきた。

しかし相手は成人男性で、しかも別に約束していたわけでもないのだから、1日2日連絡がつかない程度で警察に行くわけにも行かず、宇髄は落ち着かない週末を過ごして週明けを待つ。


そうして待ちに待った週明け。

義勇のことが気になりすぎて、宇髄にしてはずいぶんと早く出社したのだが、遅かったらしい。
同じシステム部と言っても宇髄と義勇は課も違えばフロアも5階と6階と分かれているため、自分のデスクに荷物を放り出して6階の義勇の課に顔を出すと、顔見知りの同僚が

「お~、宇髄、今日は早いなぁ。もしかして冨岡に用?」
とひらひらと手を振ってきた。

そう言われて頷いて義勇の机を見れば、出社はしている雰囲気なのだが本人が居ない。
それで声をかけてきた同僚に視線を向けると、彼は

「あいつな、今日は総務部に借りだされてるぜ?
なんだか総務の方でPCのシステムについて教えてほしいことがあるとかで、朝いちで依頼があって、ちょうど納期終えたばかりで暇だった冨岡が借りだされていった」
と教えてくれた。

ここでいつもなら昼には戻るか聞くところだが、昼には錆兎と約束がある。
かといって勤務時間中に別の課にプライベートの話をしにくることもできないので、宇髄はため息をついた。

そして
──Lineくらい返せ。それが無理でも電話は緊急の場合があるから反応くらいはしろ。心配する。
と、メモ書きを残して自分の課に帰る。


まあ無事ならいい。
少なくとも会社に来ることができるくらいには問題なく居ることに安堵しつつ、宇髄は自分の課に戻って昼に錆兎と話す内容について脳内でまとめ始めた。

そもそもが錆兎に連絡を取ろうと思っていたのは義勇が錆兎と居る可能性を考えたからで、一緒に居ないなら何を話せばいいんだろうか…。

とりあえず…何度も連絡を入れた理由と謝罪からか…、
あとはあれから義勇がどういう行動を取ったかの確認が取れていないので、その確認もしなければならないし、そのあたりがわかるまでは実弥を義勇に近づかせない方がいいだろう。
揉める予感しかしない。

さて、それではどちらを隔離するか…となれば、義勇の方がおとなしく従ってくれそうだ。
しかしシステム部の人間だと実弥に押し切られる可能性もあるので、営業企画部の方で預かってもらえないかと思い、錆兎にLineで打診してみると、

──じゃあ一緒に飯を食うというのはどうだ?──
と返ってきたので了承した。







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