『ごきんげんよう♪ユキさん(^-^』
その夜、例によってフロウちゃんのベッドの上で並んでログイン。
パシっとフロウちゃんがユキ君にパーティーの誘いを送ると、即入るユキ君。
『まいどっ!(^o^)ノ』
と挨拶を返す。
『はいはい、なんざんしょ?俺個人の範囲の事ならなんでもどうぞ。姫様のお願いなら喜んで♪』
『わ~い♪男に二言はなしですよっ?』
『もっちろん♪』
『じゃ、嘘付いたら針千本飲ましちゃいますねっ(^-^)b』
『ま…まじすかっ』
もう…ある意味最強だ…フロウちゃん。
『んで?いったい何を?』
ユキ君が本題をうながすと、フロウちゃんも続ける。
『えっとね、ユキさん私達のギルドに入って一緒にミッションとかやりましょうっ♪
ランスさんやカイさんも』
フロウちゃんの言葉に一瞬ユキ君沈黙。
そして続ける。
『あ~俺に関しては喜んでっ。
でもランスやカイはそれぞれ普段は別行動して最終的に情報を共有したいねって感じのスタンスでやってるから。
まっ、あいつら二人はそういうわけでギルドは無理だけど、姫様が一言声かければいつでも召喚されて何でもお手伝いはするんでっ。
って事でおっけぃ?』
『はい♪じゃ、みんなにもそう伝えますね~(^-^』
『らじゃっ(^o^)>』
そしてユキ君にギルドクリスタル渡しがてら集まる面々。
ギルドクリスタルを装備してユキ君は開口一番
『まいどっ!このたびめでたく姫様の従者から姫様の奴隷にランクアップしたユキでっす♪
よろしくっ(^o^)>』
当然それにも
『それって…格上げなのか?』
と、コウの突っ込みが入る訳で…。
なんだか新人というより古参のメンバーみたいだ。
それに対してもまたユキ君、
『シクシク…せめて格上げと思わないと…。
俺、姫様の命令聞かないと針千本飲むって約束しちゃったよ(;_;)』
と涙を拭く動作。
『安心しろ。その点については俺も仲間だ』
『うっあ~。嬉しくない仲間っ!』
なんだか…放っておくと延々と続きそうな二人の馬鹿話。
まあコウがそんな馬鹿話する図もレアで貴重だったりするんだけど、まあずっとそうやってても仕方ないんで
『んで?今日はどうするん?』
と促してみた。
『あ…私は今日は先約で…』
まず手を挙げるフロウちゃん。
およ?
『先約って?
姫ってユキ達以外と野良でパーティーなんか組んだ事ないよね?他フレとかいるの?』
ユートが他に先んじて聞くと、フロウちゃんはニッコリ
『えと…釣りしてたら隣の方がたまたま私達のパーティーでご一緒した事あるらしい方だったり、移動中に道で死んでらした方を蘇生したら”不思議な縁ですね、ぜひフレカ交換を”って申し出て頂いたり…。
街中でアクセサリとか見てたら”間違って買ってしまったのでよければ受け取って下さい”って親切な方とかいらしてそのままフレカ交換申し込まれたりとか。
そういう方々ってパーティー中とかでもたまたま近くにいらしたりとかよくあるんですよぉ♪(^-^)』
………突っ込みたい……それってたまたまじゃない……
と思ってたらユキ君が突っ込んだ。
『姫様…それ絶対たまたまじゃないから。マジ違うから…(;_;)』
『え?だって本当に偶然ですよぉ♪
お約束とかぜんっぜんしてないのに何故か一緒になるんです(^-^)b』
いったいギル君の時のみんなの努力って……
コウはがっくりとその場に膝をついている。
『これは…きりない…よね。俺らが知らないだけでギルもどき増殖中だったんだね…』
ユートが苦笑した。
『んで?今日のお約束は誰と何を?』
呆然とする男性陣をとりあえずおいておいて、私が聞くと、フロウちゃんは
『えっと…確か一度私達のパーティーに入っていらした事がある方らしくて、それからあちこちで偶然よくお会いして、良ければフレカ交換をって申し込まれた方です♪
不思議な森っていうキノコが可愛いエリアがあるそうなんです♪そこでキノコに座って
まったりおしゃべりしませんかって♪(^-^)』
まあ…フロウちゃんの好きそうな感じではあるけどね、そういう場所。
決定だよ…。ギル君2号だ。
つか…もう突っ込む気もおきませんよ…。
『姫様っ(>_<)ノ』
『はい?(^-^』
『俺もキノコ大好きっす!一緒に行きたいっす!(>_<)ノ』
『そうなんですか~。じゃあご一緒しましょう♪
おしゃべりは大勢の方が楽しいですしね(^-^』
ユキ君の言葉に微塵も疑問を感じてないフロウちゃん。
「ユキさんのキャラってチビちゃんで可愛いから、きっとキノコ椅子も似合いますよね~♪
きっと森の妖精さんみたいですねぇ」
と、リアルで隣の私にニコニコ話しかける。
なんていうか…コウも苦労するなぁ…。
私は内心ため息をつきながら
『じゃ、私も行っちゃおうかなぁ~』
とユキ君の援護を申し出た。
『お~いいねぇ♪どうせなら全員で行っちゃおうぜぃ♪大勢の方が楽しいしねっ(^o^)b』
そこでユキ君のだめ押し……
もちろん、フロウちゃんは相手の思惑もユキ君の思惑も全く気付く事なく
『そうですよねぇ。みんなで行った方が楽しいですよねぇ(^-^)』
と、ギルドメン全員を引き連れて、甘い期待をしていたであろうギル君もどきの野望(?)を粉々に打ち砕いたのであった。
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