寮生はプリンセスがお好き6章_4

「全員で泊まりなんて機会滅多にないしなっ。
今日は男子学生らしく、リビングで一晩中無礼講でワイ談大会するぞ~!!」

それはまさに鶴の一声だった。

この古城の持ち主で最上級学年である高校3年生の金虎寮の寮長カインの一声で、全員が食後にリビングへと集められた。

まあ家主の言う事なので全員集まりはしたのだが、反応は様々である。

まず2年生組。

「あ~、もしかしてカイン先輩、昨日のはこれやりたいがための複線です?」
とニコリと余裕を見せる金竜寮寮長&
「ふふっ。セ・ク・ハ・ラ。黙ってる代わりに何してくれます?」
と、こちらも余裕の金竜寮プリンセス。

「うちのフェリには絡まないでやって下さいねっ。俺はつきあいますけど…」
と、真面目に自寮のプリンセスを守ろうとする銀竜寮寮長に
「も~。先輩達、聞くだけは聞いてあげるけど…少しだけだよ?」
と、呆れ顔のプリンセス。

1年生組は…

「Nooooo!!!!本当にっ!!呆れた先輩達だなっ!!
プリンセスの前で論外だよっ!!
アーサーが可哀想じゃないかっ!!!」
と、顔を真っ赤にして主張する金狼寮プリンセスのアルに、

「自分もプリンセスだって事を完全に忘れてる的な?
ま、怪談よりワイ談の方が命の危険ないだけにおっけぃな感じっすね。
先輩ナイスっ!」
と、飄々と言い放つ金狼寮寮長の香。

銀狼寮組は
「とりあえず…何をすればいいんだ?」
と隣に座る自寮の寮長であるギルベルトを見あげるプリンセス、アーサーの耳を
「ん~なるべく耳にいれない、聞いてないという姿勢を取り続けんのがプリンセスとしての正しい図だな」
とさりげなく塞ぎながら、主催の3年生2人にニッコリと
「うちのお姫さんに妙な知識いれないように頼みます…と、今頼んだからな?」
と、低いドスの利いた声で言った。


「いやいや、お前がそれ言う?」
とそれについつい突っ込みをいれる銀虎寮ユーシスだったが
「なるほど。昨日こっちに来たのはユーシス先輩の方だったんですか」
と、そこでにこやかに返されて、真っ青になる。

「ユーシス?」
と主催3年生組の相方に不思議そうな視線を向けるカイン。
それにブルンブルンと思い切り首を横に振るユーシス。

そんな相方に首をかしげながらもカインは
「とりあえず~男でも勃つか、勃つならどのあたりならやれそうかを寮長諸君行ってみようか~」
と、にこやかに始めた。

「ま、言いだしっぺで俺な~。
小等部組だからな~、ま、男でもイケると思うけど、プリンセスレベルじゃねえと、さすがにムサイ野郎は無理だな。
うちのプリンセスは~まあイケる。
でも銀虎は無理だな。あそこのプリンセスは素直に下になっててくれなさそうだしな。
気づいたら上に乗られてそうだ」
「あ~、否定はしないけど。うちの気が強いから」
「テクはありそうだよな」
「まあ…中学生にそれを求めないように…っていいたいとこだけど、俺よりは有る予感」
「俺は主導権取られそうな相手はNGだから。
プリンセスでも銀寮12年生組ならお相手願いたい気がしないでもねえな」

…と、口にした瞬間、銀竜寮の寮長は両手でフェリを抱え込み、銀狼寮のギルベルトは片腕で自寮のプリンセスを抱え込んだ上でテーブルの上のフォークをカイン目がけて投げつける。
それは恐ろしい事にプスっと避けたカインが座っていたソファの背もたれに突き刺さった。

「…え?ソファにそんなに簡単に突き刺さるモノ的な?」
と、他人ごととして苦笑する香の言葉に青くなる一同。

「じょ、冗談だってっ!
軍曹の銀狼に全面戦争かける愚行はさすがに俺だっておかさねえって」
と、もちろん張本人が一番慌てて言うと、ギルベルトは

「次は手が滑って避けた先にちゃんと届くように時間差で2本行くかもしれないんで」

と冷ややかな笑みを浮かべて、主催組に冷や汗を思い切りかかせた。





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