ぺなるてぃ・らぶ・アナザー7章_1

ハッピーモーニング


朝の日差しがいつもより柔らかく感じる。
まあ自分の幸せな気分のせいなのだろうが…。

今日はもったいなくて眠れなかった。
なにしろかすかな重みを感じる左腕の中には数百年来の片思いの相手がスヤスヤと可愛らしい寝息をたてて眠っているのだ。

他人と初めて身体を繋いだのなんて、もう覚えてもいないくらい昔だが、きっとどれだけ時がたっても昨夜の事は忘れないだろう。

最愛の相手と身体を重ねるというのは、そのくらい感動的にして素晴らしい体験だった。


羞恥と戸惑い…そして不安と恐怖に身を固くするイギリスにキスの雨を降らせ、優しく優しく緊張を解きほぐしていく作業の楽しいこと!
光色のまつ毛に縁取られた大きな瞳からは始終ころんころんと真珠のような涙があふれていたが、最後の方のソレは恐怖や苦痛などからのものではないはずだ。

必死に自分の名前を呼び続ける声…。
すがりつく細く白い手。

羞恥に頬を染めながらも堪えきれずもらす嬌声と甘えるような啜り泣き。

可愛い、可愛い、可愛い!!
なるべく苦痛を与えないように…それでも夢中で何度も貪っているうち、まだ他人から与えられる快感に慣れないイギリスが気を失ってしまったのでその身を清めてやって、シーツを取り替えて、それでも自分はなんだか眠れず、一晩中涙のあとの残る可愛い寝顔を眺めて過ごした。

これでこの子は完全に自分のものだ。
とりあえず…自分のモノに手を出そうとするであろう輩にそれを思い切りわからせてやらなければならない。

――まずは…ヒゲとどこぞのメタボやな…。

そんな事を考えながら、チュッとまだ熟睡中のイギリスの額に口付けると、スペインはイギリスが目を覚まさないうちにと、朝食を作りにベッドを抜けだした。

初めての朝だ。
起きた瞬間には側にいてやりたい…。


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