ぺなるてぃ・らぶ・アナザー5章_2

スペイン親分の葛藤


――忍耐と理性を試されている気がしてきた……


『怒っちゃやだ…ばかぁ…』

おずおずと不安げな上目遣いでそんな可愛らしい言葉を吐かれた時点で理性がログアウトして連れ込んだ寝室のベッドの上。

もうええわ、頂きます…としかけたすんでのところで理性を呼び戻したのも、男にベッドに押し倒されているこの期に及んで何をされようとしているのか全くわかってないかのようなイギリスの、可愛らしくも幼げな無邪気な反応だった。

悶々とする男の欲情などまるで想像もつかないかのように、

――…何か…怒ってるのか?
と、まるで怒られるのに不安を覚えているような目で問われて力が抜けた。
怒ってないと答えたあとの、

――別に…体調悪いとかじゃないぞ?熱もないし、腹は減ってる。

に至ってはもうスペインには意味不明だ。
何故そうなる?
この状況で何故そうなるん?
黙っているスペインに更に不安を覚えたのか、スペインの料理が美味い事、今日のオンセが美味しそうだった事などを並びたてられて、スペインはイギリスの身体に伸ばしかけていた手を引っ込めざるを得なくなった。
こんな状況で無理やり抱いたら本当に犯罪だ。

大英帝国はどこへ行った?


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