オンラインゲーム殺人事件再びっ3章_3

カオルの人物像


翌日からがすごかった。

フランは人がいなさそうな時間にこっそりインしてとりあえずマイルームに戻ってそこ落ちしておいたのだが、夜にインしたとたん、フレからギルドに入りたいというウィスが溢れている。

他のメンバーもそうらしいが、フランは野良パーティが多く、必然的にフレンドも多いので特にすごい。

≪どうするよ?これ。一応俺がギルマスじゃないからって事で保留にしてるんだけど…≫

とギルドで聞いてみると、アントーニョとアーサーも同様にしているとの返答が返ってくる。

≪あれ?断ってないん?みんな。俺なんか”無理w”で全部すませてるけどww

とカオルは軽く言うが、それはカオルのキャラだからできるわけで…。


≪マリアは?≫

一応名義上ギルドマスターになっていてその手が使えないギルベルトにフランが聞くと、ギルベルトの答え…

≪俺も即断ってる。リアフレギルドだからって事で
ギルド名の由来説明するとそれで納得してもらえてる、いまのところ≫


おお~その手が!と感心する一同だが、そこで

≪俺違うんだけど?w
と、カオルがもっともなツッコミ。

≪お前もそういう事で話合わせといてくれ≫
≪えーw嘘だめよー。マリア達は学生以外のお友達には会いたくない人?w

カオルの言葉にギルベルトは一瞬沈黙。

≪なんでそうなる?≫
≪今の沈黙は?≫
≪まじめに一瞬意味がわからなかった≫

たぶん…これは嘘だ。
カオルは勘がいい上に突っ込み激しいからギルベルトは気をつけているのだろう。


≪いや、単純にマリア達学生なんだろうな~と。
社会人だったらさ、4人揃って必ず20時に集合って無理ぽいし。
残業や付き合いとかあるっしょ≫

相変わらずなカオル。

答えていいものかどうか悩んだのだろう。
ギルベルトは逆に自分の方から突っ込みを入れた。

≪カオル、お前他人の事にはツッコミいれるけどさ、お前はどうなんだよ≫
≪俺?≫
≪そ。相手の事聞くならまず自分からだろ。
自分謎のままにしといて相手の事聞くって感じ悪いぞ≫

ズバっと言うギルベルトだが、そこはさすがというべきか

≪あ、ごめん、そうだよな。
いや、野郎だし隠す理由もぜんっぜんないから隠すつもりもなかったんだけど聞かれなかったじゃん?聞きたきゃ話すよ?w
と、カオルはあっさり言った。

≪さすがにいきなり本名は勘弁だけど、簡単に自己紹介しよっか?
17のフリータ。もち♂ね。
東京都在住でシドニーとティモシーとは同じ孤児院出身で部屋シェアして住んでんだ。
他…なんかききたきゃどうぞ?w

おお~同じ年だったのか~と、少し親近感を持つフラン。
意外にざっくばらんなカオルに安心する。



≪明日…時間取れるか?≫

唐突なギルベルトの言葉に

≪は?明日のいつ頃?≫
と今度はカオルの方が少し驚いてるっぽい。

≪いつでも。お前働いてるんだろ?仕事に支障でない時間でいい。こっちが合わせる≫
≪え~っとそれは…デートのお誘い?マリアちゃんw
≪その手の冗談は…まじキレるぞ!≫
≪あ~はいはいw真面目だねぇw
カオルは軽くながした。


≪えっとね~朝7時から夕方7時までなんのかんので仕事つまってんだよねぇ。
11時半から1時半まで移動がてら昼飯だからそのついででいい?w
≪おっけー。じゃ、場所とかはウィスでな≫


へ?

≪なに?ここじゃまずいわけ?会いに行くのってマリアだけ?≫
とフランが疑問を口にする。

≪どうせなら皆で会えば?≫
と、さらにアリス。

≪アリス会わせるのはトーニョが嫌がるだろ。
で、フランは色々ポカ多いから留守番。
でもフランとアリスを二人だけで家に残すのは、これもトーニョ的に嫌だろうから、必然的にトーニョも留守番≫
きっぱり断言するギルベルト。

≪とりあえず…俺だけでも会ってればリアフレギルドってのも嘘じゃないだろ≫
≪あー、そういう意味っ。マリアって本気で真面目なんだねぇww
≪ってことで、あとはウィスな≫
そこで二人の会話が途切れる。



「なぁ…」
「ん~?」
「俺も…」
「あかんで~」

並んで腰かけてPCに向かっているトーニョに話しかけるが、本題を口にする前に一刀両断にされる。


「バレちゃあかんて言われてるって言ったのあ~ちゃんやで?」

と、アントーニョにしては筋の通った反論をされるともう何も言えない。
アーサーはため息をついた。



(ねえ、アーサーも会ってみたい?)

そこにふと届いたウィス。
フランからだ。

アーサーはチラッと隣のアントーニョの様子を窺い、

(興味はあるけど…トーニョがダメだって言ってるから…)
と、返す。



正直…非常に興味はそそられるが、アントーニョは普段は優しいが怒ると怖い。
怖いまでならまだいいが…それで愛想尽かされるのは嫌だ。

だから
(ね、ならお兄さんが説得してあげる。それならいいでしょ?)
というフランの言葉はとても心ひかれた。

(いいのかっ?!)
(うん、いいよ~。任せて♪)

フランはいつでも無条件に優しい。
アーサーは少し浮かれてその日は楽しくゲームに興じた。






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