オンラインゲーム殺人事件あなざーその6・魔王探偵の事件簿_7

『アゾットの日記 -3- 

ついにやったっ!
愚民が動いた。
8割方、犯人はイヴだな。

そんな事を考えているとイヴが怪しいとブツブツつぶやいてきた女がいる。

女ウィザードのメグ。僕に気があるらしい。
単にゲームを楽しめれば良い馬鹿の一人だ。
メグによればイヴはリアル女ではないとのこと。
同じ女としてわかるそうだ。
さらに、バットマンと一番親しかったのだから怪しいと続ける。

…普通に考えればリアル聞いてた親しい奴が疑われるのは必須。
まあそれはこの女のような馬鹿にでもわかる事だ。
それに気付かずに短絡的に殺すってイヴも果てしのない低能だな。

せっかく面白くなってきたのに、ここで御用は残念だな。
そう思って良い事を思いついた。
あの馬鹿に知恵をつけてやったら楽しいかも知れない。

僕はあくまで手を下さず知恵だけ与える。
そうだ、それこそ神の啓示のように…。
あの馬鹿を操ってこのゲームの参加者の歴史を変える神になる。
素晴らしい考えだ。

僕はイヴに近づいた。
そしてささやいてやる。
お前は疑われている。このままでは即御用だ。

焦るイヴ。
そこでさらに言ってやる。
僕はプリーストだから自力で魔王を倒せる事はまずない。
だから500万でお前の軍師になってお前の敵を排除する知恵をさずけてやる…と。

もちろん…500万なんて欲しい訳じゃないんだが、奴のような低能には僕のような高尚な考えは理解できなくて信用しないのは必至。
非力で自力で金を取れないプリーストが少しでも金を手にしたくて協力するという図を作ってやらないとだめだろう。

半額…というと奴も迷うし、100万くらいならミッション達成金で稼げる可能性もでてくるので、500万。
我ながら絶妙な額だと思う。

案の定奴は乗ってきた。
さあ…ゲームの始まりだ…。』


本当に…本当に似ていない兄弟だ…と、ギルベルトは思う。
あれだけ他者に対して悪意のないアーサーの兄弟だとは到底思えない。
やはり母方の血と育ちの違いなのだろうか…。


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