アゾットの日記(17日目)
『アゾットの日記 -1-
ネットゲーの勝者に1億与える…
主催の主旨はわからないが面白い試みだ。
こういう物に参加する奴はたいていは2種類。
1億本気で狙う馬鹿、あるいは暇つぶしで10万もらえればいいや程度の危機感のない馬鹿。
さて…どうするか…
馬鹿は相手にしないという選択もありだが…せっかく与えられた娯楽だ。
馬鹿を観察しながら笑ってみるのも悪くはないな。
上手くすれば金に目がくらんだ馬鹿が殺人に走る姿くらいは見られるかもしれない。
しかしみすみす巻き込まれて奔走するのもまた馬鹿というもの。
決めた…。ジョブはプリースト。
善良の象徴であり、また魔王を倒すと言う観点から見ると無害の象徴…。
一般馬鹿から善良な人として情報を集め、金に目がくらんだ加害者からは無害な人間として安全な立場を保てる。
そして…この馬鹿げた人間達が演じる悲喜劇を高みから見守る超越した知能を持つ存在として君臨する…退屈しのぎとしてはまあ悪くはない。』
ぺらりと最初のページをめくってギルベルトは少し眉をひそめた。
ずいぶんと上から目線だ。
別にそれが悪いというわけではない。
アントーニョの上から目線っぷりに比べればまあ可愛いレベルだと思う。
ただ、アントーニョのそれと違うのは、アントーニョの場合、責任は自分で被る覚悟があってやっているのだが、こいつはそんな気はさらさらない、ただの傲慢な臆病者だ…と、まだ読み始めたばかりなのだが、ギルベルトは不快感を覚えた。
Before <<< >>> Next
0 件のコメント :
コメントを投稿