ローズ・プリンス・オペラ・スクール第八章_1

狙われた少年


それは今度やる舞台のプロモーションのはずだった。

劇場から用意したアクセサリや衣装を付けて宣伝用の写真を撮らせて欲しいとの依頼があった。

主要人物だけということだったので、主役と相手役のアントーニョとアーサー、それに、それぞれの親友役のフランシスとフェリシアーノの4人で劇場へと出向いて行ったのだ。

ロープリの舞台の初日に合わせてオープンするというその劇場は、その初日までまだ間があるということもあって人手があちこちに割かれているとのことで、4人を出迎えたのはケイン・カーペンターという劇場支配人とその秘書だという初老の男だけだった。

「ローズ・プリンス・オペラ・スクールの主演俳優さんと相手役の学生さんは私生活でも大変親しくなさっていると伺ってます。
せっかく特別な衣装を用意した事ですし、どうせならそれをフルで身につけられた状態で感動のご対面というのはいかがでしょう?」

絶対に感動するその衣装をお互い着こなした状態で対面し、驚く姿も伝えたいのだ…そう言われれば、強く断る理由も見当たらない。

こうして男性役のアントーニョとフランシス、女性役のアーサーとフェリシアーノに分かれて、それぞれ舞台の左右の階段下にある更衣室で着替えたあと、舞台上で対面という事に話が決まった。


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