お着替え購入
こうして勇者証明書を発行してもらったイギリスは、香港を加えてスペインと三人でいったん街まで戻ることにした。
着替えの購入のためだ。
自称旅慣れているという日本と城の女官のベルギーが選んだ服は、まるで日本のアニメの魔女っこのような服だったので、イギリスが断固として着替えを要求したのだ。
まあスペインもこの格好で鬼退治はあんまりだと、街の洋服屋のドアをくぐった。
「これっ!これええやんっ!動きやすいで~!!」
そう言ってアントーニョが手に取ったのは、昔ロマーノが着ていたようなシンプルなワンピースの上にエプロンドレス…いわゆるメイド服というやつで……
「ちょ、今着てる服とどう違うんすか?マジやばげなんすけど?」
と、さすがに割って入る香港に、スペインは心外なと言わんばかりに反論した。
「え~?これ働くために着る服なんやで?
昔うちん家で働いとった子分かて似たようなん着とったし…」
「いや、それマジジョシでしょ?」
「いやいや、男の子やで?」
言い切るスペインに、香港はうわぁ~という視線を向ける。
「アントーニョ…やっぱ服このままでいい…」
イギリスは子どもながらに何か諦観したように、小さく息を吐き出した。
結局イギリスが辞退しても着替えがいるだろうとそれを購入するスペイン。
イギリスはさすがに子供らしからぬ複雑な表情をしたが、それ以上何も言わなかった。
こうして着替えを購入し、3人は一路鬼ヶ島への道を歩き始めた。
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