永久就職？！
よく結婚することを永久就職などと言う言い回しをするが、本当に文字通り就職することになるのではないだろうか……。
なんだかスパイだとカミングアウトしたら結婚を申し込まれた。
うん…なんでこうなった？
とりあえず結婚＝身元不確かな者ではなくなるという理由かららしいが、そもそもが現在の身分がスパイとかではないのかと疑われている時点で、結婚して新しい戸籍を作ったからOKという問題ではない気がするのだが……。
「新婚旅行はアーティーが元気になってからになるけど、最初行き損なったサンルイ行って、約束通り一緒に観光しよか～」
などと実に嬉しそうにキラキラした目で言われると、もう何も言えない。
色々考えて行動しても全然計画通りにはいかなくて、だんだんともうどうにでもなれという気分になってきた。
結局何を言っても聞いてないアントーニョには理を説くだけ無駄だ。
「絶対に後悔すると思うけど、好きにすればいい。」
と言ったら、
「おおきにっ！ほな手続きしとくな～っ！！」
と、太陽のような笑顔で返された。
そして数十分後…
「とりあえずちゃんとした式とかはアーティーが起きれるようになったらって事で、書類はちゃっちゃと出しとこな。
ここにサインしたって？」
と、本当に持ってきた婚姻届。
「これ…本当に書いて問題ないと思うか？」
と、さすがに周りに聞くと、
「トーニョに捕まっちまったらもう逃げんの無理だから、無駄な抵抗はやめて諦めてサインしとけ。」
とギルベルトは苦笑。
「どうしていけないの？」
と、当たり前に首をかしげるフェリシアーノ。
「あ～…もうここで拒否られるとお兄さんがあたられちゃうし、何かあったらお兄さんがフォローいれたげるからサインしといてくれる。」
と、フランシスが額に手をやって頭を軽く横に振った。
こうしてスパイに入ったはずが、アーサー・カークランド、何故か永久就職をすることになりました。
うん、笑えない。
問題はまだまだ山積みで…さらに増えた気がしないでもない。
こうしてカオスがカオスを呼び、事態はどんどん事実をねじ曲げ進んでいくのだった。
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