帰りの電車の中でギルベルトがつぶやく。
「まあねぇ…人間関係考えさせられたよ、色々」
フランも脱力したように肘掛けに肘をついて言った。
「まぁみんな無事やったしええやん」
アントーニョは自分の肩に頭を預けてすやすや熟睡中のアーサーをパシャパシャ写真に収めてる。
「お前…もしかして浴衣姿も?」
「当たり前やん。どっかの誰か達のおかげでせっかく二人きりやのに全然ゆっくりできへんかったし」
「「それ焼き増し…」」
「あかん!あーちゃんは俺だけのやもん」
ギルベルトとフランシスの言葉は最後まで言うまもなくアントーニョに遮られた。
凶は…これ以上悪くはならないからあとは好転するだけという考え方もあるらしい。
次こそは奮発した500円分くらいの良い事は起こしてくれよ、頼むよ、神様…。
変な事に巻き込まれないようにって言う願いはきいてくれなかったんだから、次こそは何か良い事を頼むよ、マジ…。
静かな時間が流れる中、ギルベルトは心の中でそうお祈りした。
Before <<<
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