夜中にごめん下さいませ
「ねえ、ホントやめよう?マジばれたらまずいよ?」
というフランスの訴えはアメリカの
「ミサイル…」
のつぶやき一つで却下された。
こうしてそれからすったもんだした挙句、結局フランスを出発してスペインまで来た4人組。
夜まで時間をつぶしてスペイン宅へ。
家まで車で乗り付けるとバレるかもしれないので、少し離れた所に車を止めて、延々と続くトマト畑をスペイン邸まで歩く。
「なあ…なんで俺等までついてきてんだ?」
と、プロイセンが聞くと、日本は
「萌えのため…もとい、何かあったら誰が皆さんを止めるんですかっ。」
としたり顔で言う。
おい…もといの前の方が本音だろ…と、額に手をやり大きく息を吐き出すプロイセン。
俺様だの自宅警備員だの普段さんざんな言われ方をしているが、実はこの中では一番の常識人かもしれない。
そんな彼でも忍び込む気満々の人間約2名、それに引きずられてもうどうでも良くなってる人間約1名の前に止めることも出来ず、そ~っと開けて中に入るフランスを筆頭にした3人にしかたなく続く。
「ね、入ったからもういいでしょ?」
と、小声で言うフランスの言葉をスルーして、
「スペインの寝室はどこだい?」
と聞くアメリカ。
「…これ…万が一“最中”だったらこいつらどうするつもりだよ…」
と危惧して形の良い眉を寄せるプロイセンに
「…それは…美味しいですねっ!」
と、いい笑顔で親指を立てる日本。
ああ…切実に帰りたい…帰ってしまおうか…と一瞬思うが、彼らはこんなはちゃめちゃでも一応国だ。
もしこれが原因で国同士でひどい諍いでも起きようものならヴェストが困る…。
自分がいてもできることは限られてはいるが、ヴェストのために被害は最小限に食い止めなければならない……。
プロイセンはどこまでも兄であり保護者であった。
こうしてかつて知ったるスペインの家をフランスを先頭に進んでいく。
そして二階の一番奥。
素朴な木のドアが見えてきた。
このドアの向こうに答えが待っているはず……
4人4様に緊張感を保ちながら、先頭のフランスがドアのノブに手をかけた。
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