乙女の野望
「天使組…ああ、天使組萌え…」
セキュリティ管理をしているティナの元へはちょくちょく乙女ジャーナルの乙女達が集う。
今日もそんな感じで医務室にある監視カメラ目当てで来ていた羽子と妙香は、二人で手を取り合ってはしゃいでいた。
「天使組って…なんですか?」
その二人にコクンと首をかしげて聞くティナ。
乙女ジャーナル最年少だけあって、その仕草はまだ幼さが見え隠れして可愛らしい……のに腐女子…。
うん、なかなか残念だ…。
「えとね、フェリちゃんとアーサー君、二人揃うと天使みたいだから天使組♪
R-18にはならないCPだからティナちゃんにもオススメだよ~。
一緒にはまろう」
と、前途ある若者に残念な誘いをかける妙香。
それを残念とも思わずうんうんとうなづく羽子。
そんな先輩二人の態度に全く疑問を感じないあたりが、ティナも大概環境に毒されていると言ったところか。
それどころか当たり前に乙女的発言を口にする。
「あ~確かに天使組も可愛くていいかもですが…私はアンアサが一押しなんですよぉ、今。
ギルアサもいいな~とか思ってたんですけど、ギルさん最近ロヴィーノさんみたいで…」
「え?なにそれ!」
手を取り合ったままティナに詰め寄る先輩二人。
それに臆することもなく、ティナは、
「どこだったかな~…あ~、これだこれ」
と、保管してあった映像をモニターに映しだした。
そこには夕方気怠そうな様子でギルベルトの部屋から出て来るロヴィーノの映像。
続けて翌日の午後、少し赤い顔でフリーダム本部に行ってどうやらギルベルトを呼び出したロヴィーノと、嬉しそうに駆け寄るギルベルト。
赤い顔のままロヴィーノが何か言っていて、それに対してギルベルトが満面の笑顔でロヴィーノの頭を撫で、照れたような拗ねたような顔のロヴィーノにその手を振り払われている。
「ぎ……ギルロヴィきたぁ~!!!!!」
きゃあぁあ~!!!と、抱き合って叫ぶ妙香と羽子。
「でかしたわっ!さすがティナちゃんっ!これエリザさんに報告しなきゃっ!」
はしゃぐ二人。
そんな中、カメラ室のドアがノックされた…。
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