ジュリエット殺人事件G_7

誰がジュリエットを殺したのか?


翌朝…。
ギルベルトの朝は早い。
毎日の習慣で目覚ましがなくとも5時には目が覚める。

本来はルートも同様だが、今朝は昨日の長時間入浴が堪えたのか、あるいはフェリシアーノに引き留められているのか、珍しく起きてこない。

それでもギルベルトの日課は変わらないのだ。
いつもだとこれからランニング&基礎鍛錬。
今日もそうしたいところなのだが…窓の外はあいにく昨日から続く雨がまだ降り止まない。
軽く室内でできる屈伸、腹筋、腕立てなどをやってはみたものの…物足りない。

(廊下…走ったらまずいか…)
確か屋内テニスコートがあるから、そこなら周囲を走れそうな気がするが、この時間だ。
たとえ従姉妹と言えども女性を起こして聞くわけにはいかない。

しかし…逆に早い時間なら絨毯ばりで音もしないことだし廊下を少しくらい走らせてもらってもバレないのでは…と、こそりとドアを開いた丁度同じタイミングで、別の部屋のドアが開いた。
エリザだ。

「あ、ギル。相変わらず早いわね。どうしたの?」
トレーニングウェアで出て来た所を見ると同類らしい。
「たぶん…お前と同じ理由だよ」
と肩をすくめるギルに、エリザは
「そっか、じゃ、一緒に軽く走る?」
と、伸びをした。

「ま、雨ふってなきゃ良いランニングコースあるんだけど、今日はテニスコート周りかな」
そんなエリザの言葉を聞きながら階段を降りたギルは目の前に広がる光景を見て呆然とした。

廊下の…ベージュの絨毯に真っ赤な液体がぶちまかれている。
「…なに…これ?血?!」
隣ではエリザが同じく呆然として立ち尽くしていた。

ギルはその場にエリザを押しとどめると、自分だけ下に降りてみた。

(血…ではないな…)
乾いた部分も茶色く変色してない事からそう判断して、ギルは染まった部分の匂いを嗅いで見る。

「これ…トマトジュースっぽいぞ…」
最終的に判断して振り返ると、エリザは大きく息を吐き出した。
「誰のいたずらよ…」
と、階段を下りたエリザは、
「ギル…」
と、声をかけた。
「ん?」
「ダイニングのドアのとこ…」
エリザの言葉にあらためてドアに目をやると、ドアの下に小さな紙。
かけよってきて手に取ろうとするエリザをまたギルは制して、紙に目を落とす

シンプルなカード。
流れるように綺麗な筆記体。

しかしながらそれが書かれているのは毒々しい真っ赤な色で、書かれている内容は不吉な問いかけの言葉…

” Who killed juliet ? ” (誰がジュリエットを殺したの?)


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