オンラインゲーム殺人事件再びっ4章_9

「あ~わりいな。ちゃんと伝えるから続けてくれ。」
そこで即ギルベルトがフォローに入る。

「うん…姫様平気?」
チラリと2階への階段に目を向けるカオル。

「ああ。ちょっと色々ショッキングな事あったしな」

「あ~そうだよね。ごめん。先に休んでもらえば良かった?」
「いや、大丈夫。それより先続けてくれ。あ~、フラン茶菓子なんかあったか?」

「ん~、30分待ってくれたら焼きたてのカップケーキ?w」
「それ頼むわ」
「おっけぃ♪」
言ってフランはキッチンへ消えていく。



「あのさ…いいの?聞くのギルだけで」

それも見送ってカオルが言うと、ギルベルトは
「ああ。適材適所っつ~かな。この手の事聞いてもフランは役にたたねえ…っつ~か、下手に動揺されても面倒だから。でもあいつの料理はマジ美味い」

「なるほどっ」
と、クスリと笑みをこぼすとカオルは続けた。

「ま、続きだけどさ、と言う事で高校生社長とかっつ~とやっぱり古臭いジジイ達がうるさいだけじゃなくて、下手すると乗っ取りたくらむ勢いだし…物騒な事言って良い?」
チラリと上目遣いにギルベルトを窺うカオル。

「いまさらだろ」
とギルベルトが答えると、そうだよね、と、続ける。

「今回さ、ジジイ達がただじゃ認めないから、ローマ爺が条件だしたんだ。
俺ら…って言っても当然正体は秘密なんだけどさ、家臣と共に副社長は敵を送りこんで、家臣が先に跡取り様を見つけ出して家臣と認めてもらえて守りきれたら跡取り様と俺らが勝ち、敵に先に跡取り様発見されて守り切れなければ副社長の勝ちってね」

「期限は?」
「無期限。跡取り様が預かってるある物を持ってローマ爺の所に行った方が勝ち」

「ある物って?」
「俺らも知らされてない。だからさ…認めてもらわんとダメって事。
ちなみにこれ言わないとフェアじゃないから言っておくけど、俺らの他にも家臣候補っていう集団いるらしいから。
俺らは嫌だけど会社は継ぎたいって事なら、そのどこかにいる他の家臣候補を見つけて一緒にローマ爺の所へ行けばおっけぃ。
でもソロはダメ。必ず爺が送りこんだ家臣候補3人と一緒に行かないと無効になる。
で、ここからは物騒な話ね。
敵の方も跡取り様からそのブツを奪わないとダメなんだけど、当然それが何か知らされてない。ってことは…だ、」

「無理やりにでも聞きだすしかねえって事だな?」
「うん。そう言う事」

「もしくは手っ取り早く事故か事件で消えて頂ければってやつか」
「うわ~、俺でさえそこまで口にするのはためらってたのに、それ言っちゃう?」
「遠まわしに言っててもしゃあねえだろ」
「うん、まあそうだけど…」

「まああと一つの可能性としては…」
「うん?」
「内情さらして家臣のふりして聞きだすって手もあるな」
にやりと笑うギルベルトに、カオルは苦笑い。

「うあ~、それ本人目の前にして言っちゃう?まあそうなんだけどさ…」

「ま、それは冗談として」

「あれ?冗談ですませていいん?」
「ああ。トーニョはああ見えて馬鹿みたいに勘の良い奴だから。
それがカオル達は大丈夫っつってるから大丈夫なんだろ」


「ふ~ん?なんかさ、ギル達面白いな…。
策士なギルがいて…トーニョは正しい方向を感じとって進む力。
人当たりが良くて情報収集できるフラン。
姫様は…実はみんな好きなんでしょ?
なんかそこでつながってるっつ~か…姫様お守りするために結束できるみたいな?」

なかなか鋭いカオルの人物評に内心舌を巻くギルベルト。


こいつ敵に回したくねえなぁ…どうするよトーニョ…と、ギルベルトは心の中で2階の私室にいるであろうトーニョに問いかけた。


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